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2021年11月24日

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仏高級ブランドのディオールの写真が、アジア人に対して欧米人が抱く昔ながらのイメージをそのまま表現しているとして、中国のインターネットなどで批判された。その後、撮影した中国人ファッション写真家が自分の「無知」について謝罪する事態となっている。

問題の写真は今月12日、上海の展示会で掲示が始まった。直後から中国のインターネット利用者が次々と批判し、のちに現地メディアも取り上げた。

撮影した写真家チェン・マン氏(41)は、中国のソーシャルメディアの微博(ウェイボ)に、「(過去の作品における)私の未熟さと無知に対して責任を感じている」と投稿した。

ディオールは、すでにこの写真を撤去したとしている。

同社は23日夜、ウェイボの自社アカウントで、「これまでどおり、中国の人々の思いを尊重している。(中略)何らかの間違いが起これば、指摘を受け止め、適宜それを正していく」と書いた。

また、今回の写真は芸術作品であり、商業広告ではないとした。

「欧米の審美眼にこびている」

中国の新聞、北京日報は社説で、ディオールの写真のモデルについて、「陰気な表情」と「悪い目つき」をしていると主張。

「写真家はブランドや西側世界の美的感覚にこびている」、「長年にわたってアジア女性は、欧米の見方によって常に、小さな目とそばかすで表現されてきた。だが、芸術と美に対する中国の評価の仕方は、それによってゆがめられることはない」と唱えた。

一方、中国女性ニュース(China Women's News)は、「腫れぼったい一重まぶた」のモデルの写真は、人を「落ち着かない」気分にさせると解説した。

中国のネット界では、今回の写真がチェン氏の2012年のシリーズ作品を想起させるとの指摘が出た。同シリーズは彼女が英ファッション誌のi-D向けに撮影した。

中国のネット世論では、一連の写真について、中国人女性を「侮辱する」肖像だという声が上がった。色白の肌や大きくつぶらな目など、多くの中国人が良いと思う特徴を備えた人が出ていないというのが理由だった。中国人に対する「偏見」や「人種差別」が示されているとする意見も出た。

しかし、そうした意見に同調しない人もいた。ウェイボのあるユーザーは、「なぜ目が小さい中国人女性は美しいと思われないのか? この写真には何の問題もない」と、チェン氏を擁護した。

「イデオロギーを改善させる」

チェン氏は声明で、「深く内省した」とし、「ほぼすべての批判的コメント」を検討した結果、謝罪する必要があると感じたと述べた。

「私は中国で生まれ育った。自分の国を深く愛している。芸術家として、自分の作品を通して中国文化を記録し、中国の美を紹介する責任をしっかり自覚している」

「中国の歴史について学び、関連のイベントにもっと出て、イデオロギーを改善させる。(中略)自分の作品を通して中国について語るよう努力していく」

チェン氏は中国ファッション界の有名写真家で、有力雑誌の表紙写真を撮影するなどしている。これまで、英サッカー選手デイヴィッド・ベッカム氏や中国俳優ファン・ビンビン氏などを撮影してきた。

(英語記事 Photographer sorry for 'small eyes' Dior picture

提供元:https://www.bbc.com/japanese/59399099

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