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2021年11月26日

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イギリスのサジド・ジャヴィド保健相は25日、新型コロナウイルスの新たな変異株への懸念が高まっているとして、アフリカ南部6カ国からイギリスへの渡航者に隔離を義務付けると発表した。

隔離の対象となるのは南アフリカ、ナミビア、ジンバブエ、ボツワナ、レソト、エスティワニの6カ国からの渡航者。隔離はイギリス時間26日午後12時から始まる。これらの国からの航空便はしばらくの間、欠航となる。

新たな変異株「B.1.1.529」については、「これまで見た中で最悪」のものだとする専門家もいる。また、免疫を回避する可能性があるという。

現時点では南アフリカと香港、ボツワナで計59人の感染が確認されている。

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ジャヴィド保健相は、6カ国をイングランドへの渡航制限を課す「赤リスト」に加えたことについて、「慎重になり、対策を講じ、国境をできる限り守るため」だったと説明した。

今後、過去10日以内に6カ国への渡航履歴のあるイギリスとアイルランド以外の国籍の人は、イングランドへの入国が禁じられる。

同期間に渡航していたイギリス人とアイルランド人は、28日午前4時以降からホテルでの隔離が始まる。それ以前に入国した人は自宅での隔離が求められる。また、過去10日間に6カ国から渡航した人は、PCR検査を受けることになる。

ホテルでの隔離システムが稼働するまでは、6カ国とイギリスの間の航空便は欠航となる。

どんな変異株なのか

今回、英健康安全庁(UKHSA)が調査中の変異株に認定した「B.1.1.529」は、突然変異が非常に進んでおり、南アフリカの1州に感染が集中している。

研究者によると、この変異株では合わせて50カ所の突然変異が確認されており、うち30カ所がスパイクたんぱく質で起きている。スパイクたんぱく質は、ウイルスが人間の細胞に入るために使う部分で、多くのワクチンが標的としている。

南アフリカの専門家は、この変異株はこれまでに流行した変異株と「非常に異なって」いるため、感染力が高かったり、免疫機能を回避して感染したりする可能性があると指摘している。

英ケンブリッジ大学のラヴィ・グプタ教授は、「B.1.1.529」が免疫を回避し、感染力を高めている可能性があると述べた。

インペリアル・コレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン教授も、この変異株が「南アフリカでの感染の急速な拡大に寄与している」ようだと話し、渡航制限措置は「賢明な判断」だと語った。

一方で、この変異株の感染力の高さやワクチン耐性についてはまだ不明な点があり、危険性を判断するには時期尚早だと述べた。

BBCのアンドリュー・ハーディング・アフリカ特派員によると、南アフリカの研究者らは「B.1.1.529」の突然変異を解明しようとしているが、これまでのところ感染力が非常に高いことだけがはっきりしているという。

ハーディング特派員はまた、南アフリカでは赤リスト入りへの不満が高まっており、科学者らは新たな変異株の特定に国がさらなる支援と報酬を出すことが必要だとしていると伝えた。

世界保健機関(WHO)の専門家は26日にも、南アフリカの当局と会合を開き、同国の感染状況を確認するとしている。

(英語記事 Coronavirus variant fear sparks Africa travel curbs

提供元:https://www.bbc.com/japanese/59425973

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