BBC News

2022年1月13日

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男子テニスのノヴァク・ジョコヴィッチ選手(34)の入国が問題になっているオーストラリアで、現地テレビ局のニュースキャスター2人が卑語を使って同選手について会話している動画が流出し、オンラインで拡散されている。

この動画には、11日夕のニュースに向けて準備する「チャンネル7」のジャーナリスト、マイク・アモー氏とレベッカ・マダン氏が、ジョコヴィッチ選手について率直に話す様子が映っている。

マダン氏はジョコヴィッチ選手は「うそをついている」、「卑劣だ」などと語っている。一方のアモー氏は、同選手が「自らがついたうそにつまづいて転んだ」と話している。

チャンネル7はこの「違法な」動画流出について調査を開始した。

「嘘つきで卑劣」

メルボルンを拠点に活動するアモー氏とマダン氏は、ジョコヴィッチ氏が新型コロナウイルスワクチン接種を受けておらず、渡航書類に間違いがあったことを認めているにもかかわらず、17日開幕の全豪オープンでプレーするために入国が認められたとのニュースについて言葉を交わしていた。

テレビでは放送されていない会話の中で、マダン氏は「ノヴァク・ジョコヴィッチは嘘つきで卑劣なやつだ」と、卑語を交えて言っている。

アモー氏も卑語を使いながら、ジョコヴィッチ氏について「自らがついたうそにつまづいて転んだ」、「彼はそれから逃れるつもりなんだと思う」と述べている。

チャンネル7は声明で、2人の会話は同僚同士のプライベートなものであり、それを記録する行為は違法だとした。

オーストラリア国民は会話内容を支持

キャスターの激しい言葉遣いに衝撃が走った一方で、多くのソーシャルメディアユーザーはアモー氏とマダン氏への支持を表明している。

ツイッターには、「私たちがみんな思っていることを話してくれてありがとう」、「レベッカ・マダンとマイク・アモーをオーストラリアン・オブ・ザ・イヤーに推薦するのは遅すぎるかな?」といった声が上がった。

豪テレビ作家のコリン・ヴィッカリー氏は、「今回の出来事がマイク・アモー氏やレベッカ・マダンの評判を傷つけるとは思えない」とツイートした。

ジョコヴィッチ氏のビザをめぐっては、同氏と豪当局の双方に激しい批判が向けられている。

オーストラリアの人々は世界で最も厳しい新型ウイルス対策の1つとされるルールの下での生活を余儀なくされている。そうした中で、ワクチン未接種のジョコヴィッチ氏の入国が認められた。

同氏が全豪オープンに向けて練習しているメルボルンでは昨年、市民が累計262日間ものロックダウンに耐えていたこともあり、入国許可は大きな議論を呼んだ。

国境封鎖により何千もの家族が離ればなれとなったオーストラリアは「要塞」と呼ばれた。

一般市民は州をまたいだ移動を禁止され、愛する人たちに死が迫っていても会いに行くことができない。その一方で、富裕層や有名人の移動は優遇したとして、同国の州政府や連邦政府は多くの市民から非難されている。

「有名選手だから何でもできる」

英スコットランド・グラスゴー在住のアリス・ランバートンさん(22)と、豪クイーンズランド州在住の母親は、3年近く会えていない。豪政府は、ワクチン接種を終えているランバートンさんの渡航免除申請を8回も却下した。成人のランバートンさんは豪連邦政府が定める「近親者」に当てはまらないというのが理由だった。

「胸が張り裂けるような思いです。(中略)ノヴァク氏は有名なスポーツ選手で、お金もたくさん持っているから、何でもできる」と、ランバートンさんはBBCに語った。

「有名人はオーストラリアに入国できるのに、勤勉な市民とつながりのある人たちは追い返される。そういうことがまた起きている」

(英語記事 Newsreaders caught in expletive-laden Djokovic rant

提供元:https://www.bbc.com/japanese/59975400

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