BBC News

2022年4月19日

»著者プロフィール

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は18日夜に公開した演説動画で、ロシア軍が予想どおり、東部ドンバス地方で大規模な攻撃を始めたと説明した。現地当局者も、激しい攻撃にさらされていると報告している。

ゼレンスキー氏は演説で、「ロシア軍がドンバスでの戦いに乗り出したことを確認している。ロシア軍は長い時間をかけて準備をしていた。ロシア軍の相当の部分が現在、この攻撃に投入されている」と述べた。

そして、「どれだけ多くのロシア兵がここに投入されようと、私たちは戦う。自衛する」と述べた。

ゼレンスキー氏の最側近のアンドリー・イェルマク氏は、ドンバス地方への攻撃が始まったことで、今回の戦争は「第2段階」に入ったとの見方を示した。同氏はメッセージアプリ「テレグラム」に、「私たちの軍を信じよう、非常に強力だ」と投稿した。

民間人8人が死亡

ウクライナの安全保障当局も、18日朝にロシアが東部で攻撃を開始したとして、警戒を呼びかけた。

国家安全保障・国防会議のオレクシー・ダニロフ書記は、「ドネツク、ルハンスク、ハルキウ各州において前線のほぼ全域で」ロシア軍がウクライナ軍の防衛線を突破しようとしていると述べた。

また、ルハンスク州のクレミンナはロシア軍に占拠されたが、そのほかの地域ではウクライナ軍が持ちこたえているとした。

<関連記事>


ドンバス地方を構成するウクライナ東部2州の知事は同日、民間人計8人の死亡を明らかにした。

ドネツク州知事はテレグラムへの投稿で、ロシア軍の砲撃によって州内で4人が死亡したと公表。ルハンスク州のセルゲイ・ガイダイ知事も、クレミンナが夜間にロシア軍に陥落され、4人の死者が出たとした。

ガイダイ知事はフェイスブックに、「地獄だ」、「攻撃が始まった。ここ何週間か話が出ていたものだ」と投稿。ルビズネ、ポパスナの両市で戦闘が「絶えず続いている」とした。


マリウポリの状況

南東部の要衝マリウポリでは、ロシア軍が完全制圧に向けて攻勢を強めており、アゾフスタリ製鉄所で攻防が繰り広げられているとみられている。

市議会によると、同製鉄所の地下シェルターには約1000人の民間人が避難している。多くは女性、子ども、高齢者だという。ロシア軍はここに激しい爆撃を仕掛けているという。

ヴァディム・ボイチェンコ市長は18日、民間人の市民約4万人がロシア国内またはロシアが管理する地域に「強制的に移送された」と訴えた。

市長はウクライナのテレビ局の取材に、移動を強いられた人数について、「自治体の住民登録を通して確認された」と述べた。

BBCはこの主張を独自に検証できていない。ロシアは、民間人を攻撃などの対象にしていないとしている。

マリウポリにはロシアによる侵攻前、40万人以上が暮らしていた。これまでに14万人以上が市外に避難したとされる。


米国防当局の見方

マリウポリについて、米国防総省のジョン・カービー報道官は18日、ロシアが「大打撃」を加えているものの、陥落はしていないとの見方を示した。

カービー氏は、「ドンバス地方と南部、特にマリウポリ市内とその周辺で引き続き、空爆と砲撃の集中が見られる」と説明。攻勢を強めるロシア軍に対し、ウクライナ側は抗戦しているとした。

また、ロシア軍がウクライナ東部で、より大規模であからさまな攻撃の下地を整えているとした。11の部隊が最近、ウクライナ国内に入ったとみられという。ウクライナに展開しているロシア軍はこれで76部隊となり、すべて南部と東部にいるという。

カービー氏はさらに、アメリカがウクライナに供与するハウイツァー榴弾(りゅうだん)砲について、米兵が近くウクライナ軍に対して訓練を実施すると述べた。同砲はアメリカによる8億ドル規模の軍事支援の一部。

南部でも爆撃

南部の都市ミコライウでも18日夜、継続的な攻撃と爆撃があった。基幹インフラが深刻な被害を受け、水の確保が懸念されている。

ウクライナ軍の南方司令部は、ミコライウ市民のため、南部オデーサ(オデッサ)からトラックで水を運ぶ手配がなされているとした。

ウクライナ国家警備隊のダニエル・サレム氏はBBCに、ミコライウから戻ったばかりだとし、ミコライウの市境やヘルソン近郊で攻撃が激化していると説明。「本当に厳しくなっている」と述べた。サレム氏は元俳優でテレビ司会者。ウクライナ軍については、「苦戦している」が士気は高く、「強い意志」を保っていると話した。

(英語記事 Live ReportingRussia has launched eastern assault, Ukraine says

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61145964

関連記事

新着記事

»もっと見る