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2022年4月23日

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ロシアによる軍事侵攻の続くウクライナについて、国連の人権監視団は22日、現地状況を「民間人に対する暴力の恐怖物語」と呼び、国際法を尊重する姿勢が「打ち捨てられたようだ」と非難した。激戦地となった南東部マリウポリでは市長が、市民2万人が殺害されたおそれがあるとBBCに話した。またロシア軍幹部は、ウクライナの隣国モルドヴァの親ロシア派地域に到達する意図に言及した。こうした状況で国連のアントニオ・グテーレス事務総長は同日夜、来週にロシアとウクライナを訪れ、両国の大統領と会談すると発表した。

即決処刑を確認=国連

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の管轄下にある国連ウクライナ人権監視団(HRMMU)は22日、最新の調査結果を発表。それによると、軍事侵攻が始まった2月24日から4月20日午前0時までの間に、HRMMUは民間人2345人が殺害され、2919人が負傷したことを確認し、記録した。

ミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官はこれについて、「マリウポリなど激戦地で繰り広げられた悲惨な状況が明らかになれば、実際の数字がこれよりもっと増えることは承知している」として、「この8週間、国際人道法ははただ単に無視されてきただけでなく、脇に打ち捨てられたように見える」と述べた。

「ロシア軍の占領下にあった地域で、即決処刑がどれくらいの規模で行われていたかも、次第に明らかになっている」とバチェレ弁務官は述べ、証拠保全の重要性のほか、被害者や遺族への心理的サポートなどの必要性を強調した。

ロシア軍後退後に多数の市民の殺害遺体が見つかった首都キーウ近郊ブチャについては、今月9日に国連人権監視団が現地調査を行った際、市民50人が即決処刑されるなど、多数の違法な殺害が行われたことを確認したという。

「(監視団が)話を聞いたブチャ市民のほぼ全員が、親類や隣人や、場合によっては知らない人の死亡について話してくれた」と高等弁務官は述べ、「ブチャだけで起きたことではないと承知している」とも指摘した。

HRMMUはこのほか、性暴力や民間施設・インフラへの無差別爆撃、民間人と捕虜の拘束や拷問、殺害を確認したと報告。ウクライナ東部では、ウクライナ部隊の攻撃で民間人が被害を受け、民間器物が破損されたことも確認したとしている。

バチェレ氏はさらに、「少なくとも推定3000人の民間人が、治療を受けられず、戦闘に伴い健康に負担がかかったため死亡した。これには、ロシア軍によって地下に閉じ込められたり、何日も何週間も自宅から出られなかったことも含まれる」と指摘した。

HRMMU報告書は続けて、「ロシア軍の人員がウクライナで女性、男性、少女、少年に性暴力を加えたという訴えが増え続けている」として、ウクライナ全土でこれまでに報告された75件のうち、その大半はキーウ周辺でのものだと説明した。

報告書はさらに、「ウクライナ軍や軍の関係者によって、人が恣意的に拘束され家族と連絡がとれなくなっているという情報を、HRMMUは受け取っている」とも明らかにした。

こうした状況でバチェレ弁務官は、戦闘のすべての当事者に対して、国際法を尊重するよう緊急に呼びかけ、あらゆる国際法違反疑いの事案を捜査するよう求めた。

「この無意味な戦争は止めなくてはならないが、戦闘が縮小する様子はまったく見えない。そのため、紛争の全当事者は戦闘員に対して、国際人道法と国際人権法を厳密に尊重するよう明確に指示しなくてはならない。これは、民間施設と軍事目標を区別することを意味する。民間人を標的にしたり意図的に殺害しないことを意味する。性暴力を行わないことを意味する。捕虜を含めて、人を拷問してはならない。民間人も捕虜も、戦力外の戦闘員も、人道的に扱わなくてはならない」と、高等弁務官は強調した。

513万人以上が国外へ避難

国連の難民高等弁務官事務所は同日、2月24日以降、513万3747人のウクライナ人が国外に避難したと明らかにした。総数は21日の発表から4万8387人増加した。避難した人の9割は女性と子供だという。

ウクライナの国外に避難した人のうち、6割にあたる286万7241人は隣国ポーランドに逃れているという。

こうした状況で、ロシア政府は同日、国連のグテーテレス事務総長が26日にモスクワを訪れ、ウラジーミル・プーチン大統領と会談すると発表した。セルゲイ・ラヴロフ外相とはワーキングランチを行う予定という。

グテーレス事務総長はツイートで、「私は来週、ロシアでウラジーミル・プーチン大統領と、そしてウクライナでウォロディミル・ゼレンスキー大統領と、会談する」と発表。「私たちは人命を救い、大勢が苦しむ状況を終わらせ、ウクライナに平和をもたらすため、緊急に対応しなくてはならない」と強調した。

https://twitter.com/antonioguterres/status/1517687237525352449?s=20&t=jSAYvvXtINmTI7fbe7Y9QA


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ロシア政府、沈没艦の乗員死亡を認める

ロシア政府は同日、黒海で14日に沈没した黒海艦隊の旗艦、巡洋艦モスクワについて初めて、乗務員が死亡したことを認めた。国防省は、乗務員1人が死亡し、27人が行方不明だが、残る396人は救助されたと発表した。

この人数について、BBCは独自に検証できていない。

ロシアは「モスクワ」の沈没について、艦上での火災が原因だとしているが、ウクライナは対艦ミサイルで攻撃し撃沈したのだと主張している。

巡洋艦モスクワはロシア海軍の威力を象徴する軍艦だった。ウクライナ政府はその残骸について、水中文化遺産と指定した。ウクライナ国防省は公式フェイスブックで、「オデーサから約130キロ、黒海海底に沈んだ最大の個体となった有名な巡洋艦は、それほど潜らなくても鑑賞できる!」と書いた。

ウクライナ軍テレビによると、「モスクワ」の残骸は水深45~50メートルにあるという。

マリウポリ市内をロシア派勢力がパトロール

ロシア軍が徹底攻撃を重ねた南東部の要衝マリウポリでは、プーチン大統領が「完全封鎖」を命じたアゾフスタリ製鉄所の周辺でチェチェン部隊がパトロールしている様子を、ロイター通信が22日に撮影した。チェチェン警備隊の連隊長でロシア国会のアダム・デリムハノフ下院議員が、チェチェン特殊部隊と共に歩いていた。

プーチン氏はロシア軍がマリウポリを「解放」したと宣言したが、製鉄所の巨大な地下施設には今もウクライナ部隊が、市民数百人と共にたてこもっている。

恐ろしい人数が殺害された=マリウポリ市長

マリウポリのヴァディム・ボイチェンコ市長はBBCに対して、市内で殺害された人数は「恐ろしい」ほどで「2万人を超える」と話した。

市長は、米マクサー・テクノロジーズの人工衛星が捉えた集団埋葬地と思われる映像に加え、「ほかにも別の場所で新しい証拠を得た」と述べた。

市長は、ロシア軍が意図的に「この街と住民を破壊」していると述べ、「(ロシア軍は)まず地上からの砲撃と空爆で、続いて後からやってきた軍艦を使って、街を封鎖し、ジェノサイドをしかけた。マリウポリ市民のジェノサイドと戦争犯罪を意図したものだ」と述べた。

ボイチェンコ市長の顧問、ペトロ・アンドリュシュチェンコ氏はメッセージアプリ「テレグラム」で、「殺害されたマリウポリ市民の集団埋葬地」が新たに見つかったと書き、「戦争犯罪の痕跡を隠滅しようとするものだ」と述べた。

BBCはこの主張を独自に検証できていない。

アンドリュシュチェンコ氏は、リヴォベレジヌイ地区にある集団埋葬地を人工衛星画像で探すよう報道陣に呼びかけ、「占領軍はマリウポリ市内全域から、死亡した住民の遺体を集めて埋めたり、燃やしたりしていることがまたしても証明された」と書いた。


モルドヴァの親ロシア地域に言及=ロシア軍幹部

ロシア中央軍管区のルスタム・ミネカエフ副司令官は22日、ロシア軍はウクライナ東部ドンバスだけでなく南部も制圧するつもりだと述べた。スヴェルドロフスク州での軍関係の集まりで発言した。

ミネカエフ少将は、「ウクライナ南部を支配すれば、そちらからもトランスニストリアへ到達しやすくなる。トランスニストリアでも、ロシア語話者の住民が抑圧されている事実がある」と述べた。

トランスニストリア、もしくは沿ドニエストル・モルドヴァ共和国は、モルドヴァの親ロシア地域でウクライナと国境を接する分離国家。国際法上はモルドヴァの一部。

ミネカエフ少将の発言が、ロシア政府公認のものかは不明。ロシア国防関係者はBBCのスティーヴ・ローゼンバーグ・ロシア編集長の取材に対し、少将の発言について「調べている」と話した。発言内容が確認されれば、ロシア政府の今後の作戦をうかがわせるものとなる。

モルドヴァ政府は少将の発言に反発し、ロシア大使を呼びつけて抗議した。

ウクライナのゼレンスキー大統領はこれを受けて、ロシアのウクライナ侵略は始まりに過ぎず、他の国も侵略しようとしている証拠だと述べた。

毎晩定例の動画演説でゼレンスキー氏は、「私が繰り返してきたことを裏付けたまでだ。ロシアにとってウクライナ侵略はほんの手始めにすぎず、ウクライナの後はほかの国を掌握したいのだ」と述べ、「次は自分たちかもしれないのに、何も失いたくないからと今は中立を望む人たちにとって、それは最もリスクの高い賭けだ。そうすれば、あなたたちはすべてを失ってしまう」と警告した。

(英語記事 Ukraine war latest

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61198930

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