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2022年4月25日

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アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官が24日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。同大統領の側近が明らかにした。ウクライナはこの日、キリスト教東方正教会の復活祭という特別な日を迎えたが、ロシアによる爆撃が続いた。

ブリンケン氏とオースティン氏は、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってからウクライナを訪れた米政府関係者で最高位の人物となった。

ウクライナ政府首脳陣と会談後にブリンケン米国務長官は、アメリカがウクライナ政府を引き続き支持していることを強力に示す機会だったと発言。会談でゼレンスキー大統領は、ジョー・バイデン米大統領の指導力とアメリカのたくさんの支援に感謝していると述べたという。

ブリンケン長官はさらに、ロシアは依然としてウクライナの一部を痛めつけてはいるものの、ウクライナ人はしっかりと立ち向かっていると評価。ウクライナの成功と裏腹に、ロシア政府は戦闘目的を果たせずに失敗していると述べた。さらにブリンケン氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領よりも、独立した主権国家ウクライナのほうがずっと長く存在するはずだとも話した。

両長官による訪問については、ウクライナのゼレンスキー大統領が23日夜の記者会見で予定を明らかにしていた。安全面などの理由から、閣僚級のウクライナ訪問は事後に発表されるのが通例となっており、事前の発表は異例。

ゼレンスキー氏は、兵器追加供与の要請が最も重要な議題となるだろうと話していた。同氏は、南部と東部の新たな前線で戦闘が激化しており、より多くの重火器と先進的な防衛システムが必要だとしている。

両長官の訪問中、米政府は新しい駐ウクライナ大使の名前を公表した。現スロヴァキア大使のベテラン外交官、ブリジェット・ブリンク氏で、ジョー・バイデン米大統領は25日、新大使に指名した。アメリカの駐ウクライナ大使は、2019年5月に当時のドナルド・トランプ政権がマリー・ヨヴァノヴィッチ大使を解任して以来、複数の臨時代理大使が歴任していたものの、全権大使は空席となっていた。

米政府はさらに、キーウの治安状況を確認中で、状況が許し次第、在キーウの大使館を再開すると明らかにした。国務省は2月末、ロシアの軍事侵攻開始に先駆けて在キーウ米大使館の機能をポーランドへ一時移設していた。

マリウポリ製鉄所の爆撃を継続か

ウクライナ南東部の要衝マリウポリで抗戦を続けるアゾフ大隊のメンバーによると、同大隊が立てこもっているアゾフスタリ製鉄所に対し、ロシア軍は爆撃を続けているという。

ウクライナのオレクシー・アレストヴィッチ大統領顧問は、アゾフスタリ製鉄所をめぐり、特別和平交渉をロシア側に提案していると明らかにした。

同氏によると、停戦を確立し、市内に閉じ込められた民間人および戦闘員の命を救うことが、交渉の目的となる。

同製鉄所には、数週間にわたりウクライナの守備隊が立てこもっており、ロシア軍が戦略上重要な港を完全支配するのを防いできた。子どもを含む民間人も避難していると報告されている。

ウクライナ東部ハルキウ(ハリコフ)とドネツク州東部でもこの日、ロシアの砲撃が続き、民間人の死者も出たと、現地当局者が話した。

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マリウポリで人道回廊が失敗

マリウポリでは24日、民間人の避難が計画されたが、またも頓挫(とんざ)した。ウクライナのイリナ・ヴェレシュチュク副首相は、ロシア軍が停戦を拒否したために人道回廊が失敗したと語った。

ロイター通信によると、同副首相は25日にも民間人の避難を試みると述べた。

同副首相はこれに先立ち、ロシアがマリウポリの民間人をロシア領土に誘導しようと、独自経路を並行して計画していると非難した。ロシア政府はこれについてコメントしていない。

アゾフスタリ製鉄所内にいるとされる民間人は、マリウポリからの避難活動の対象にならないとみられる。

ゼレンスキー氏が復活祭の演説

ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、ウクライナで大切な行事の復活祭に合わせ、キーウの聖ソフィア大聖堂で撮影したビデオ演説を公開した。

ゼレンスキー氏は、「去年は(新型コロナウイルスの)パンデミックのため、私たちは自宅で復活祭を祝った。今年もキリストの復活を、これまでとは違う方法で祝う。また別のウイルスのせいだ。戦争という名の疫病のせいだ」と国民に語った。

また、「去年と今年の脅威は、どちらも同じもので一つに結ばれている。ウクライナを打ち負かせるものはない、というものだ」と述べた。

ゼレンスキー氏は、聖ソフィア大聖堂について、第2次世界大戦でナチスドイツの占領に耐えたと語った。

ウクライナではこの日、ロシアの爆撃が続く中でも多くの人が家族で集まり、ケーキや色とりどりに飾り付けた卵などの食べ物を用意し、復活祭を祝った。

キリスト教カトリック教会のローマ教皇フランシスコもこの日の演説の中で、ウクライナにおける紛争の終結と平和を呼びかけた。

ロシアが「仕組まれた住民投票」を予定=英国防省

英国防省は24日、最新の情勢分析で、ウクライナ南部の都市ヘルソンにおいて、ロシアが占拠を正当化するための「仕組まれた住民投票」を予定していると報告した。

ヘルソンはロシアにとって、2014年に併合したクリミア半島への陸の橋を確立し、ウクライナ南部を支配するために重要だと、国防省は指摘。ロシアは以前にも、クリミア併合を過去にさかのぼって正当化する目的で、ロシアは不当な住民投票を実施したと説明している。

ヘルソンは、ロシアが2月下旬に侵攻して以降、制圧に成功した唯一の主要都市。周辺地域はウクライナ軍が奪還しており、一帯で戦闘が続いている。

(英語記事 Ukraine Live Reporting

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61213057

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