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2022年4月25日

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リオ・サンズ、BBCニュース

中国・上海の当局が、新型コロナウイルスの感染流行を抑え込もうと、市民の移動を制限するために、住宅などの前にフェンスを設置した。

建物の前に緑色のフェンスが予告なしに立てられ、中にいる人は外出が禁止されている。

上海の住民の1人は、何の説明もないまま21日になって、居住する建物の敷地内に緑色のフェンスが置かれたと、BBCに話した。

上海の市民約2500万人は、過去最悪の新型ウイルスの感染流行を抑えるためだとして、自宅から出ないよう当局に指示されている。

中国のソーシャルメディアでは最近、防護服を着た作業員が市内の集合住宅の入り口を封鎖し、緑色のフェンスで道路を閉鎖している写真などが拡散されている。

https://twitter.com/eefjerammeloo/status/1518108912394055681


https://twitter.com/chris__pc/status/1518171958742986752


フェンスは高さ約2メートルで、多くは「封鎖区域」に指定された建物の周囲に設置された。

「封鎖区域」は、ウイルス検査で住民の少なくとも1人の陽性が確認された場所。区域内の住民は全員、ウイルス検査の結果にかかわらず、自宅外に出ることが禁じられている。

当局がフェンスを立てるようになった理由は明らかではない。

オンラインで拡散されている4月23日付の現地当局の通知には、市内の一部地域で「強力な隔離」を実施すると書かれていた。

「火事になったらどうなるのか」

BBCはフェンスの写真を検証できていないが、上海で暮らす外国籍の住民は、自宅の集合住宅の敷地に、21日に緑色のフェンスが立てられたとBBCに話した。

この住民によると、近隣住民の1人がウイルス検査で陽性と判定された3週間ほど前に、集合住宅の主要ゲートがチェーンで閉鎖されたという。

そして、21日になって何の前触れもなしに、新たにバリアが設置されたという。

この住民は、「誰も出られない」、「どうしようもない。ロックダウンがいつ終わるのか分からない」と電話取材で話した。

「フェンスでふさがれ、火事が起きたらどうなるのか? 正気なら住民の家を封鎖などできないはずだ」

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当局が神経をとがらせる動画

上海当局は、ロックダウンの市民への影響を強調した動画を見られなくしようと躍起になっている。

長さ6分間のこの動画には、食料の供給が不十分だと批判したり、医療の状況に不満を漏らしたりする、未検証の市民らの音声が入っている。

「もう何日も食べていない」と訴える声も聞こえる。

中国の住民が、政府の政策を公に批判するのはまれだ。しかし上海の住民らはここ数週間、ソーシャルメディアで不満を表明している。

ロックダウンされている地域の住民の一部は、食料の入手に苦労しており、野菜、肉、卵については政府による供給を待たなくてはならないとこぼしている。

上海で最近導入された措置としてはこのほか、ウイルス感染者の外出を防ぐためにドアに電子アラームを設置することや、自宅を消毒するために住民を強制的に避難させることなどがある。

上海当局はまた、すべての感染者とその近親者について、政府が運営する集中隔離施設への移送を命じた。

上海では24日、新型ウイルスによる死者が過去最多の39人報告された。新規感染者は2万1000人以上だった。

中国は他の多くの国とは対照的に、国内でウイルスを完全に根絶することを目指す「ゼロ・コロナ」戦略を追求している。

パンデミックの初期には、当局は感染レベルを比較的低く抑えることができていた。しかし、その後のロックダウンでは、感染力のより強い変異株の封じ込めに苦労している。

(英語記事 Green fences baffle locked down Shanghai residents

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61214095

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