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2022年4月27日

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軍事政権下のミャンマーの裁判所は27日、同国の元指導者アウンサンスーチー氏(76)に対し、汚職防止法に違反したとして禁錮5年の有罪判決を言い渡した。同氏をめぐる一連の秘密裁判における最新の判決。

裁判所はアウンサンスーチー氏について、国内最大のヤンゴン地域の元首相から、現金と金の延べ棒の形で60万ドル(約7700万円)の賄賂を受け取ったと認定した。

今回の有罪判決で、刑期は合わせて11年となった。同氏はすでに、複数の罪状で有罪判決を受けている。

昨年12月には、軍への反対意見をあおった罪と、新型コロナウイルス対策の規則に違反した罪で、有罪とされた。今年1月には、自宅で密輸された無線機を所持した罪と、新型ウイルス対策の別の規則に違反した罪でも、有罪判決を受けた。

これらの他にも10の汚職の罪に問われている。いずれも最高刑は15年。さらに、選挙不正や国家機密法違反でも起訴されている。

同氏は、すべての罪状について否定している。

首都ネピドーで開かれている裁判は非公開で、一般の人々やメディアの傍聴は認められていない。同氏の弁護士は、ジャーナリストと話すことを禁じられている。

ノーベル平和賞を受けている同氏は、2021年2月の軍事クーデター以来、自宅軟禁の状態に置かれている。クーデターでは、選挙によって選ばれた政権が追放された。

「終身刑」が狙いか

アウンサンスーチー氏の支持者は、ミャンマーで民主主義の象徴として高く評価されている同氏を刑務所に一生とどめるため、軍事政権がこれらの罪状をでっち上げたとしている。

すべての罪状で有罪とされれば、刑期は190年以上になるとの推定もある。

公民権や民主化の推進団体や国連は、今回の法的手続きを茶番だと非難している。ヒューマン・ライツ・ウオッチは、「でっち上げの起訴をめぐる秘密手続きの法廷サーカス」と呼んでいる。

軍事政権は、アウンサンスーチー氏がこれまで公正な裁判と正当な法的手続きを受けてきたとし、批判をはねつけている。

同氏の弁護士はBBCに、まだ同氏に会えていないと話した。

軍事政権による弾圧

ビルマとも呼ばれるミャンマーでは、2020年11月の総選挙で、アウンサンスーチー氏が率いた国民民主連盟(NLD)が圧勝。その3カ月後に、軍が暴力的に権力を掌握した。

軍は選挙で不正があったと主張したが、独立した選挙監視団は、おおむね自由で公正な選挙だったとした。

軍事クーデターを受け、抗議デモが広がった。軍は民主化を支持する抗議者や活動家、ジャーナリストらを弾圧するようになった。

アウンサンスーチー氏やNLDの多くのメンバーら1万人以上が、軍によって拘束された。政治犯支援協会(ビルマ)によると、軍の弾圧で約1800人が死亡している。

社会の混乱から、戦闘も続いている。軍事政権は広い層からの反対に直面しており、国内の一部では武力紛争になっている。

(英語記事 Myanmar military court jails Suu Kyi for corruption

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61242031

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