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2022年4月28日

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は27日、ウクライナに介入する国は「電光石火」の対応に直面することになると警告した。一方、ウクライナ南東部マリウポリの製鉄所に残るウクライナ第36海軍歩兵旅団のセルヒー・ウォリナ団長は、軍人と民間人を「脱出」させる必要があると改めて訴えた。

プーチン大統領は、「外部の者がウクライナに介入し、ロシアに戦略的脅威を与えようとするなら、我々は電光石火の対応を取るだろう」と述べた。

「我々には(対応するための)あらゆる手段がある。(これらの手段があると)自慢できる者はほかにはいない。我々はそれを鼻にかけるのではなく、必要に応じて使用する」

プーチン氏の言う「手段」は、弾道ミサイルや核兵器を指しているとみられる。

プーチン氏はまた、「この件についてはすでに、あらゆる決断を下している」とした。だが、詳細は明らかにしなかった。

西側とロシアの緊張

西側諸国はここ数日、ウクライナへの支援を強化している。

26日には、アメリカのロイド・オースティン国防長官が、ウクライナがロシアに勝利するよう「全力を尽くす」と宣言。ドイツ政府は対空戦車50台をウクライナへ提供すると明らかにした。

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、西側がウクライナに重火器などを提供して「火に油を注いでいる」と指摘。現在の紛争が第3次世界大戦につながる可能性があるとしている。

ウクライナの首都キーウ周辺から撤退したロシア軍は先週、東部ドンバス地方を掌握するための大規模な攻撃を開始した。

しかし、ある当局者によると、ロシア軍は「ウクライナの強固な抵抗に打ち勝つことは難しく、損失を被っている」という。

「ダンケルクの戦い」のような脱出を

ロシア軍に包囲されたウクライナ南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所に残る、ウクライナ第36海軍歩兵旅団のセルヒー・ウォリナ団長は、フェイスブックに投稿されたビデオ演説の中で、民間人らの救出を実現させるよう改めて訴えた。ウォリナ氏は20日にも世界に支援を呼びかけていた

ウォリナ氏は、「62日間にわたり、我々は完全に包囲された状態で戦ってきた。我々はいま、アゾフスタリ製鉄所に陣取っている。(ウクライナの)アゾフ大隊やほかの包囲された部隊と共に任務を遂行している」と述べた。

「我が集団には600人以上の負傷者がいる。そのけがの程度はさまざまだ。彼らは切実に医療を必要としている。適切な環境も薬もなく、彼らを助けられるスタッフもいない」

「民間人の負傷者もおり、我々はできる限り助けようとしている。何百人もの民間人、何十人もの子どもたち、多くの障害者、高齢者が我々と一緒にとどまっている」と、ウォリナ氏は付け加えた。

ウォリナ氏は第2次世界大戦中のダンケルクの戦いでイギリスが取った「脱出手段」と同様の方法で、製鉄所に残された人々を救えるかもしれないと述べた。

ダンケルクの戦いでは、ドイツ軍に追い詰められたイギリス軍とイギリスの多数の民間船が協力し、約40万人の将兵脱出を成功させた。これは「ダンケルクの奇跡」として広く知られている。

製鉄所、残る物資は「数日分のみ」

ウクライナ西部リヴィウ在住の女性は、アゾフスタリ製鉄所で動けずにいる友人たちと毎日連絡を取り合っている。

女性は、製鉄所にはあと数日分の物資しか残っておらず、時間切れになりつつあると指摘する。

また、プーチン大統領が、製鉄所にいる人々がいつ脱出できるのか「答えを知っている唯一の人物」だと、女性はBBCに語った。

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ウクライナ各地の状況

東部シエヴィエロドネツクでは病院がロシア軍の砲撃を受け、女性1人が死亡した。

ドニプロペトロウシク州の村には、国際条約で禁止されているクラスター弾が投下された。

ロシア軍は北東部スーミ地域のエスマン・コミュニティに対し、少なくとも50発の迫撃砲を発射した。

南部オデーサとヘルソンでは数時間のうちに複数の爆発音が聞こえた。RIA通信によると、ヘルソンではウクライナ側がロシアの占領下にある中心部に向けてロケット弾3発を発射したが、ロシア軍はそのうち2発を撃ち落としたという。

ロシア国防省は、ザポリッジャにある武器庫をカリブル・ミサイルで攻撃したと発表。ここにはアメリカと欧州の武器が保管されていたとした。

ロシアは「あらゆる貿易を武器とみなしている」

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国民に向けた毎晩定例の動画演説で、ロシアがポーランドやブルガリアへのガス供給の停止を通告したことを念頭に、ロシアが欧州に対して「エネルギー恐喝」を行っていると語った。

両国へのガス供給の停止は、「欧州では誰もロシアとの正常な経済協力関係を維持することは望めない」ことを示していると指摘。

「ロシアはガスだけでなく、あらゆる貿易を武器とみなし、いずれかの貿易地域でそれを利用できる瞬間をただ待っている」と付け加えた。

また、欧州大陸のすべての国が貿易面でロシアに依存できないと早期に合意すればするほど、すぐに安定が得られるようになるとした。

ゼレンスキー氏は、ロシアが世界市場、とりわけ食物市場に混乱をもたらしたいと考えていると主張。さらに、ウクライナからEU域内への輸入品について関税や輸入割り当てを1年間停止するというEUの方針を歓迎した。

(英語記事 Live PagePutin warns against outside intervention in Ukraine

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61252820

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