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2022年4月29日

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国連のアントニオ・グテーレス事務総長は28日、ウクライナの首都キーウを訪問し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領と面会した。グテーレス事務総長はその後の記者会見で、国連安全保障理事会がロシアのウクライナ侵攻を阻止できなかったと批判。「大きな失望といら立ち、怒りを覚えている」と語った。

一方、キーウのヴィタリ・クリチコ市長によると、国連事務総長がキーウを訪れたこの日、市中心部のシェフチェンコ地区にロケット弾2発が着弾。3人が負傷して病院に運ばれた。

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国連安保理に批判高まる

15カ国で構成される安全保障理事会(安保理)は国連において、世界の平和と安全保障を維持する特別な任務を負っている。

しかし2月にロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、ウクライナ政府を含む多方面から批判を浴びている。

ロシアは常任理事国5カ国のひとつで、この紛争にまつわる決議案について何度も拒否権を発動している。

グテーレス事務総長はこの日、ゼレンスキー大統領との共同記者会見で、「はっきりさせておきたい。安保理はこの戦争を阻止したり終わらせたりするため、自らできることの全てにおいて、失敗した」と述べた。

「我々は諦めないと、大統領とウクライナの人々に申し上げたい」

一方で、安保理が「麻痺(まひ)」している間に、国連は他の活動を行っていると、組織を擁護した。

「国連は1400人の職員をウクライナに派遣し、援助や食料、現金などさまざまな形態の支援を行っている」

ボロジャンカなど訪問、マリウポリでの人命救助に言及

ゼレンスキー大統領は記者会見で、グテーレス氏にはロシアがウクライナで行った「戦争犯罪の全て」を直接目撃する機会があったと述べた。

その上で、ロシアの行為は「ジェノサイド(集団虐殺)」だったとあらためて強調した。ロシアはこの疑惑を否定している。

キーウ北西部ボロジャンカを訪れたグテーレス事務総長は、爆撃で破壊された建物の前で取材に応じた。

グテーレス氏は、現場の様子を見て、これが自分の家族に起こったことならと考えてしまったと語り、ウクライナの戦争は「21世紀にあるまじきことだ」と述べた。

また、南東部マリウポリに取り残されている人々の救出を誓った。マリウポリでは数週間にわたり、ロシア軍の激しい爆撃が続いている。

「マリウポリは危機の中の危機に陥っている。数千もの民間人が人命救助を必要としている。多くが高齢者で医療を必要としていたり、移動が困難な状況だ。この惨状からの脱出ルートを必要としている」

ロシアはこれまで、マリウポリ市内のアゾフスタリ工業地帯に閉じ込められているウクライナ部隊や民間人の避難を認めるよう求める、ウクライナの要請を拒否し続けている。

しかしグテーレス氏はBBCの取材に対し、プーチン大統領は民間人の市内への避難について「原則として」合意したと述べた。

マリウポリではたびたび人道回廊の設置が試みられてきたが、失敗している。地元当局はロシアの爆撃による妨害のせいだと批判している。

(英語記事 Rockets hit Kyiv as UN chief admits failings

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61267510

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