BBC News

2022年4月30日

»著者プロフィール

英ロンドンの裁判所は29日、テニスの4大大会の1つ、英ウィンブルドン選手権の元王者ボリス・ベッカー氏(54)に対し、2017年の破産の際に250万ポンド(約4億円)相当の資産やローンを隠匿したとして禁錮2年6カ月の実刑判決を言い渡した。ベッカー氏は刑期の半分を刑務所で過ごすこととなる。

グランドスラム(4大大会)で6度優勝したベッカー氏は、破産法に基づき4件の罪で有罪となっていた。

デボラ・テイラー判事は、ベッカー氏が反省し罪を受け入れる姿勢を見せなかったと指摘した。

また、ベッカー氏が2002年にドイツで、脱税で有罪判決を受けたことに言及し、「あなたは与えられた警告や、執行猶予付き判決によって与えられたチャンスを心に留めなかった。それが事態を悪化させる最大の要因となった」と述べた。

「あなたは(中略)自分が行った犯罪や破産から距離を置こうとした」

「この裁判があなたにとって屈辱的だったのは理解するが、あなたは謙虚さを一切見せなかった」

ベッカー氏の法廷弁護士を務めるジョナサン・レイドロー勅選弁護士は、「栄光からの転落」は「彼(ベッカー氏)の評判をボロボロにした」と法廷で語った。

「ボリス・ベッカーには文字通り何も残っていない。最も輝かしいスポーツのキャリアを示すものも残っていない。まさに悲劇としか言いようがない」

「これらの手続きは彼のキャリアを完全に破壊し、今後見込まれていた収入を台無しにした」

ベッカー氏は1985年に17歳でウィンブルドンを制した。男子シングルスで最年少優勝を果たし、一躍スターダムを駆け上がった。その後、ウィンブルドンで2度、全豪で2度、全米で1度優勝。オリンピックではダブルスで金メダルを獲得した。

1999年の引退後はBBCのウィンブルドンの放送で解説を務めるなどした。2013年にコーチ業に転身し、ノヴァク・ジョコヴィッチらの指導にあたった。

2017年に破産

ベッカー氏はスペイン・マヨルカ島に購入した高級不動産をめぐり300万ポンド(約4億9000万円)の負債を抱え、2017年6月にロンドンの裁判所で破産宣告を受けた。

この際、管財人が5000万ポンド近い負債を抱える債権者に利用可能な資産を分配できるよう、全資産を開示する法的義務があった。

今月初めのロンドンのサザーク刑事法院での裁判で、陪審員はベッカー氏による財産の持ち出しや、財産開示の不履行、2件の債務隠しの計4件で有罪と判断した。

過去のテニス大会のトロフィーやメダル(ウィンブルドンで獲得した2つを含む)を引き渡さなかったこと(9件)など合わせて20件の罪状については無罪とした。

レベッカ・チョークリー検事は、ベッカー氏が「意図的かつ不正に」行動していたと、陪審団が判断したと述べた。

さらに、「今なお、ベッカー氏は明らかに自分の責務だったことを、他人のせいにしようとしている」と付け加えた。

陪審団は、ベッカー氏が故郷ドイツ・ライメンにある100万ポンドの広大な不動産について申告せず、その物件の約70万ポンドの銀行ローンや6万6000ポンド相当のテクノロジー企業の株式を隠匿していたことを確認した。

また、元妻バーバラ氏と別居中の妻シャーリー・”リリー”・ベッカー氏ら9人に対し、自分のビジネスアカウントから39万ポンド相当を支払っていたことが判明した。

ベッカー氏は1999年の引退までに約3800万ポンド(約62億円)を手にしたが、最初の妻との離婚や子供の養育費、ロンドン南西部ウィンブルドンにある月2200ポンドの借家など、「高額なライフスタイルの取り組み」にあてたと、陪審団に説明していた。

裁判ではベッカー氏が、デザイナーブランドの服や高級百貨店ハロッズでの買い物を好み、子どもの学費に数千ポンドを使っていたことも明らかになった。

引退後は収入が「激減」したという。

(英語記事 Tennis champion Boris Becker jailed over bankruptcy

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61253255

関連記事

新着記事

»もっと見る