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2022年5月4日

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ボリス・ジョンソン英首相は3日、ビデオ回線を通じてウクライナ最高会議(国会)に向けて演説し、ロシアの脅威に対する西側の対応が遅すぎたと認めた。ロシアの軍事侵攻開始以来、外国首脳がウクライナ議会へ向けて演説するのは初めて。

ジョンソン首相は通訳を介して、ロシア軍の侵攻に立ち向かうウクライナをたたえた上で、ロシアが2014年にクリミア半島を併合した際に西側諸国がしたような、「同じ間違いを繰り返すわけにはいかない」と述べた。当時の西側は「事態の真相を把握するのが遅すぎ」、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対して一丸となって制裁を加えられなかったとも話した。

「私たちは同じ間違いを犯すわけにはいかない」と、ジョンソン首相は述べた。

ジョンソン首相は、「みなさんはプーチンの不敗神話を打ち砕き、軍事史と皆さんの国の命において最も栄えある一章を書き加えました」とウクライナの人たちをたたえ、「抵抗不能と言われたプーチンの戦争の仕組みは、ウクライナの愛国心という不動のものによって打破されました」と述べた。

ジョンソン首相はさらに、第2次世界大戦中のイギリス首相、サー・ウィンストン・チャーチルの言葉を引用し、「今こそウクライナが最も見事な時です。今後何世代にもわたり記憶され語り継がれる日々です」と述べた。チャーチル元首相の言葉は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が3月に英議会へ向けて演説した際にも引用された。

「自分たちの自由を断固として守る人たちの道義の力を前に、侵略者の野蛮な力など無意味なのだと、ウクライナの人たちが世界にそう教えたのだと、皆さんの子供たちや孫たちは語り継ぐでしょう」

ジョンソン首相はさらに、イギリスが提供する3億ポンド分の追加軍事支援の内容を説明した。今後数週間のうちにイギリスからウクライナへ、電子戦の機器、対砲兵レーダーシステム、GPS電波妨害機、暗視装置などが送られるという。

首相の演説が終わると、ウクライナ議員たちは立ち上がり拍手した。続いてゼレンスキー大統領が、イギリスとウクライナは今や「きょうだい」のようだと述べ、「これほどの親友がそばにいてくれるなら、あれほど悪辣(あくらつ)な敵に攻撃されていても、怖くない。イギリスとはそういう友人だ」と支援に感謝した。

ゼレンスキー大統領はさらに、ウクライナ支援を表明しているサー・エルトン・ジョン、エド・シーランさん、デイヴィッド・ベッカムさんと家族など、様々なイギリスの著名人にも感謝の言葉を述べた。

イギリスが追加供与する武器

イギリス政府がウクライナに追加供与する軍事支援の中には、砲弾やミサイルを感知し、発射兵器の位置を特定するレーダーシステムも含まれる。孤立したウクライナ部隊に備品を運ぶことができる重要運搬型ドローンも提供する。

英首相官邸によると、文官の政府関係者を指令拠点に移動させたり、ロシア軍が現在集中しているウクライナ東部で鉄道駅の修復を支援するため、特別仕様のトヨタ製ランドクルーザー13台も送る予定。

リズ・トラス外相は、ウクライナ政府が要請した走行車両も数日のうちにウクライナに届くと明らかにした。これは、ロシア軍の砲撃から避難する民間人の救出に使うためという。

(英語記事 Ukraine war: West too slow to grasp Russian threat to Ukraine, says PM

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61316315

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