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2022年5月10日

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ロシアが第2次世界大戦の戦勝記念式典を開催した9日、ウクライナでは南部や東部で、ロシア軍による爆撃や地上での戦闘が続いた。南部オデーサを訪れていた欧州連合(EU)トップは避難を余儀なくされた。

激しい戦闘が続いていると報じられているのは、ウクライナ東部ドンバス地方のルビジュネとビロホリフカの周辺。

ただ、アメリカの国防当局者は、ウクライナ東部におけるロシア軍の進軍はここ数日間、わずかだと述べた。また、南部では実質的にまったく前進していないとの見方を示した。

この当局者は、東部にある第2の都市ハルキウについて、ウクライナが掌握し続けているとした。

ドンバス地方の戦略上の要衝となっているスロャンスクの市長は、ロシア軍による中心部への砲撃があったと話した。

一方、南部ミコライウ州では、夜間の爆撃が普段より多くなり、死傷者が数人出たと知事が説明した。

オデーサでミサイル攻撃

南部の港湾都市オデーサでは、ミサイル3発が撃ち込まれ、建物5棟が破壊された。2人が負傷し、病院に運ばれたという。現地の軍当局者がメッセージアプリ「テレグラム」に投稿した。

ロシアによる攻撃が続いていることを受け、オデーサでは10日午前5時まで夜間の外出が禁止された。

オデーサにはこの日、欧州連合(EU)理事会のシャルル・ミシェル議長(大統領に相当)が訪れており、ミサイル攻撃からの避難行動を取った。

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マリウポリの製鉄所で攻撃か

ロシア軍が包囲している南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所について、同州のパウロ・キリレンコ知事は、内部にまだ100人以上の民間人がいるのは「間違いない」との見方を示した。

アゾフスタリ製鉄所では、長期間、地下で身動きが取れなくなっている人たちを避難させる努力が続けられている。しかしキリレンコ氏によると、ロシア軍の圧力が厳しく、避難は困難な状況だという。

同製鉄所は、何週間にもわたる爆撃で壊滅的な被害を受けたマリウポリにおける、ウクライナ軍最後の陣地となっている。

ウクライナ国防省は9日、ロシア軍が同製鉄所で「襲撃作戦」を実施していると説明した。BBCはこれが事実か確認できなかった。

ウクライナの副首相はここ数日、同製鉄所からすべての女性、子ども、高齢者が避難したと示唆している。

「ロシアは過去の侵略者と同じ運命歩む」

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は9日夜に公開したビデオ演説で、ロシアは過去にウクライナを侵攻した者たちと同じ運命を歩むだろうと述べた。

ゼレンスキー氏は特徴となっている豊かな表現力を駆使し、「2月24日、ロシアは攻撃を始めた。同じ過ちをおかしている。私たちの領土に来る占領者は皆、この過ちをおかす。私たちはいろんな戦争を経験してきた。だが結末はすべて同じだった」と演説。

「私たちの領土には弾丸と砲弾がまかれたが、ここに根を張れた敵はいなかった。敵の戦闘馬車や戦車が私たちの畑を走り抜けたが、果実を実らせることはなかった」と語った。

さらに、「敵の矢やミサイルが私たちの上空を飛んだが、誰も私たちの青空に暗い影を落とすことはできない」と話した。

米政府が武器の貸与を迅速化

アメリカのジョー・バイデン大統領は9日、ウクライナや東欧の同盟国への軍事支援を合理化するための法案に署名した。アメリカの武器や物資の貸し借りをめぐって要件を緩和する。

アメリカは第2次世界大戦時、ナチスドイツと戦う同盟国への500億ドルの援助を迅速化する法律を成立させている。今回の法律は、それを思い起こさせるものとなっている。

バイデン氏は大統領執務室で、「この戦いの代償は小さくはない。しかし、侵略に屈すれば、代償はもっと大きい」と話した。

米政府は6日にも、ウクライナに対する1億5000万ドル規模の軍事支援を発表している。アメリカの支援は総額38億ドル(約5000億円)に達している。

英国防長官がプーチン氏を非難

イギリスのベン・ウォレス国防長官は9日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領について、モスクワで開かれた対独戦勝記念日の軍事パレードで世界を威嚇(いかく)しようとしていると述べた。

ウォレス氏はロンドンの国立陸軍博物館で、「プーチン大統領が本当に望んでいるのは、ロシア国民と世界が、現在進行中の軍国主義の記念物に恐れおののき、脅威を覚えることだ」と演説。

「ウクライナで、挑発行為がなかったのに起こされ、今も続いている紛争は、同じ兵士たちの名誉を汚すものでしかない」と述べた。

(英語記事 Live Reporting

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61389254

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