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2022年5月11日

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ジョージ・ライト、BBCニュース

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナでの長期戦に向けた準備を進めており、たとえ東部で勝利しても紛争は終わらない可能性がある――。米情報機関が10日、そんな見方を示した。

ウクライナでは東部で激しい戦闘が続いている。ロシアは一帯を自国領にしようともくろんでいる。

ロシアは首都キーウを制圧しようとしたが、ウクライナが抵抗。その後、ロシアはドンバス地方の占拠を目指し、同地方に軍を集中させた。

だが、それでもロシア軍は手詰まり状態にあると、米情報機関は分析した。

「ドンバス以上の目標」

アヴリル・ヘインズ国家情報長官は10日の米上院委員会の公聴会で、プーチン氏について、まだ「ドンバス以上の目標を達成する」つもりでいると説明。ただ、「自らの野心と、ロシアの現在の通常軍事能力とのミスマッチに直面しているところだ」と述べた。

また、インフレ、食料不足、エネルギー価格の上昇が悪化するにつれ、アメリカと欧州連合(EU)がウクライナ支援を弱めることを、プーチン氏は「おそらく」期待していると付け加えた。

一方で、戦争が長引けば、プーチン氏が「より過激な手段」に転じる可能性があると説明。ただ、ロシアが核兵器を使うのは、同国が「存亡の危機」にあるとプーチン氏が感じた場合だけだろうとした。

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国防情報局のスコット・ベリア長官は同じ公聴会で、ロシア軍とウクライナ軍は「ちょっとした膠着(こうちゃく)状態」にあると述べた。

直近の戦闘において、ウクライナは北東部ハルキウ州の4つの集落を奪還したとしている。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍が成功を収めており、開戦以降爆撃にさらされているハルキウからロシア軍を徐々に追い出していると述べた。

同時に、ウクライナ人が「毎週あるいは毎日、勝利を期待するような、行き過ぎた道徳的圧力をかけるような雰囲気を作ってはならない」と話した。

ハルキウ州当局は10日、同州イジュームで、崩壊した建物のがれきから44人の民間人の遺体が発見されたと明らかにした。一帯では支配権をめぐって戦闘が激化している。

この建物は5階建てで、地下にはロシアの砲撃から逃れようとする住民らが身を潜めていた。3月に崩壊したが、救助隊がようやく現場に入れるようになった。

一方、南東部の港湾都市マリウポリでは、市内最後とみられる戦闘が広大なアゾフスタリ製鉄所で展開されている。地下のトンネルや部屋には、数百人のウクライナ兵らがロシア軍に包囲された状態で立てこもっている。

マリウポリの制圧は、ロシアにとって重要な戦争の目標となっている。制圧できれば、ウクライナ最大規模の港を支配し、より広い地域へのアクセスが容易になる。

東部の都市オデーサでは、夜間に複数の建物にミサイルが直撃し、付近の民家を揺るがした。ウクライナ軍によると、1人が死亡、5人が負傷した。

(英語記事 Putin preparing for long war - US intelligence

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61403460

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