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2022年5月12日

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フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領とサナ・マリン首相は12日、同国は軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請を行うべきだとする共同声明を発表した。

ニーニスト大統領とマリン首相は共同声明で、「フィンランドは遅滞なくNATOへの加盟を申請しなければならない」と述べた。

フィンランドはロシアと、1300キロメートルにわたって国境を接している。これまではNATOに加盟しない方針だったが、ロシアのウクライナ侵攻を受け、大きな政策転換を行った。

NATO加盟をめぐっては、フィンランド国民の支持率は長い間20~25%で推移してきた。軍事的な非同盟と中立は、多くのフィンランド人が紛争に巻き込まれないために選択してきた立場だ。

しかしウクライナ侵攻後の最新の世論調査では、NATO加盟に賛成している人は76%まで上昇。この戦争を機に、ロシアとの友好関係を空疎なものとみる人が増えている。

また隣国スウェーデンも、数日以内にNATO加盟を決定する見込み。

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共同声明の中でニーニスト大統領とマリン首相は、今春にフィンランドのNATO加盟の可能性をめぐる重要な議論が始まったが、議会や社会が立場を決め、NATOや隣国スウェーデンと協議するには時間が必要だと述べた。

その上で、2人の立場の表明と議会への情報提供として、「NATO加盟によってフィンランドの安全保障は強化される」と説明した。

また、「フィンランドが加盟すればNATO全体も強化される」と述べ、遅滞のないNATOへの加盟申請が必要だとの認識を示した。

一方で、「この決定をするにはまだ国内で踏むべき段階があり、今後数日のうちに迅速に進められることを望んでいる」と述べた。

フィンランドのペッカ・ハーヴィスト外相は、ロシアによるウクライナ侵攻がフィンランドの安全保障状況を変えたと指摘。一方で、現時点で脅威はないと述べた。

また、フィンランドがNATOに加盟すれば、NATOだけでなくバルト海地域の安全保障強化にもつながるとの見方を示した。

実際のNATO申請までにはいくつかの段階を経る必要があるが、今回の発表を受け、すでにNATO加盟国からはフィンランド支持の声が出ている。

デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、フィンランドのNATO加盟を歓迎するとし、その手続きを迅速に処理するよう努めると述べた。

フレデリクセン首相は、フィンランドの決定は「NATOと我々の共通の安全保障を強化する」ものであり、「デンマークは正式な申請後、迅速な加盟手続きのためにあらゆることを行う」と話した。

一方、BBCのフランク・ガードナー安全保障担当編集委員によると、バルト3国の1つのエストニアはフィンランドとスウェーデンのNATO加盟を歓迎している半面、バルト諸国への攻撃に向けてロシアが長期的な準備を進めているとして警告を発している。

エストニア国防省の高官は、防空部隊の緊急配備を含め、NATOのさらなる強化を要求している。


<解説> カティヤ・アドラー欧州編集長(ヘルシンキ)

今回の決定は、フィンランドにとって地政学的な大転換だ。フィンランドは何十年もの間、NATOの内部ではなく、NATOと共に行動することを選択してきた。ロシアがウクライナに侵攻するまでは。

NATO加盟に対する国民の支持は急上昇し、フィンランドでも、隣国スウェーデンでも、加盟を求める政治的な動きが活発になっている。しかし、フィンランドの加盟申請のハードルはもう少し高く複雑だ。

フィンランドの大統領と首相は12日、NATO加盟は自国の安全保障を強化するだけでなく、NATO自体も強化することになると述べた。

フィンランドは装備が整った、洗練された軍隊を持っている。また、ロシアと1300キロにわたって国境を接している。

(英語記事 Live Page

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61420545

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