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2022年5月13日

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中東の衛星放送局アルジャジーラの記者が、パレスチナ自治区でイスラエル治安部隊による作戦を取材中に銃撃を受けて死亡したのを受け、パレスチナ自治政府は12日、国際刑事裁判所(ICC)に直ちに提訴すると表明した。

パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長は、11日に死亡した記者シェリーン・アブ・アクラ氏(51)の追悼式での演説で、彼女の死の「全責任」はイスラエルにあると断じた。

アルジャジーラは、アブ・アクラ氏がパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で、イスラエル軍によって殺害されたとしている。一方、イスラエルは、パレスチナの武装勢力に撃たれた可能性があるとしている。

国連、アメリカ、欧州連合(EU)は、独立し透明性のある調査を求めている。

パレスチナ系アメリカ人のアブ・アクラ氏は、パレスチナ地域を取材してきた、最も経験豊かで多くの人に愛された特派員の1人だった。アルジャジーラのアラビア語ニュースチャンネルで20年間にわたり、イスラエルとパレスチナの紛争について伝えてきた。

パレスチナの旗がかけられたアブ・アクラ氏の棺は、12日朝にヨルダン川西岸ラマラのパレスチナ自治政府本部に運び込まれた。車列が通過した通りには大勢の弔問客が並んだ。

アッバス議長は、アブ・アクラ氏をパレスチナの大義を守るために「命を捧げた」「自由な言葉の殉教者」と呼び、追悼した。

「アブ・アクラ氏の殺害の全責任はイスラエル占領当局にある。イスラエル側は、この犯罪で真実を隠すことはできない」

アッバス議長はまた、イスラエルからの共同捜査の申し出を「信用できない」として拒否したと説明。「犯罪者を突き止めるため、直ちに国際刑事裁判所に行く」と述べた。

BBCはICCやイスラエル政府に取材したが、即時の回答は得られなかった。イスラエルはICCの権限を認めておらず、これまでも占領地での戦争犯罪の疑いをめぐる捜査への協力を拒んでいる。

イスラエルのナフタリ・ベネット首相は会合で、パレスチナ自治政府が「真実に到達するために必要な、基本的な捜査結果へのアクセスさえも」妨げていると述べた。

また、自治政府に対し、「捜査を妨害したり、捜査プロセスを汚したりしないよう」警告した。

アブ・アクラ氏は11日、ヨルダン川西岸ジェニンの難民キャンプで、イスラエル軍と治安部隊による急襲作戦を取材していた。

イスラエル軍はこの作戦について、「テロリストの容疑者」を逮捕するためのものだと説明。作戦中、武装したパレスチナ人数十人がイスラエル兵に向かって発砲し、爆発物を投げつけたとした。

パレスチナ保健省などによると、アブ・アクラ氏は「報道」の文字が書かれた青い防弾ジャケットを着てこの作戦を取材中、頭部に実弾を受けた。

アルジャジーラのプロデューサー、アリ・サムーディ氏も銃撃され負傷した。同氏は病院からBBCに、銃撃された時には近くに、パレスチナ側の銃所持者はいなかったと語った。

(英語記事 Palestinians to send journalist's killing to ICC

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61434582

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