2022年6月27日(月)

BBC News

2022年6月1日

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中国・上海は6月1日午前0時から、新型コロナウイルス対策の規制を緩和した。中国経済の中心地で、世界的貿易拠点である同市は、2カ月にわたり厳しいロックダウンを敷いていた。

約2500万人が暮らす上海では1日午前0時から、住民の大部分が自由に移動できるようになった。ただ、少なくとも65万人は自宅待機を続けることとなる。

公共交通機関の基本サービスも再開され、店舗も営業を始める。大規模な店舗は客数の上限を通常の75%に設定したうえで営業する。一方で映画館や博物館、ジムは閉鎖を続ける。

また、大半の子供たちは対面授業には戻れない。

以下の新たなルールも導入された。

  • 全ての住民は、自宅の敷地や建物を出てほかの場所へアクセスする際に、スマートフォンで陰性を証明する「緑色の健康コード」を提示する必要がある
  • 公共交通機関を利用して市内を移動したり、銀行やショッピングモールなどを利用する場合には、過去72時間以内に実施されたPCR検査で陰性であることを証明する必要がある
  • 上海から別の都市へ移動する場合の制限措置は維持され、到着時に7~14日間の隔離が必要となる

上海市は経済活性化を目的とした50項目からなる計画を立てている。ロックダウン開始前の同市の経済規模は6000億ドル(約77兆4000億円)以上だった。

新たな対策には、自動車購入者に対する税の一部軽減や、地方債の発行の迅速化、建築プロジェクトの認可の迅速化などが含まれる。

上海市政府の広報担当者は、「すごく長い間、私たちが夢見ていた日がやってきた」と記者団に語った。

「誰もが多くの犠牲を払ってきた。苦労して手に入れたこの日を大切に守り、慣れ親しんだ上海を再び迎え入れる必要がある」

中国政府が掲げる「ゼロCOVID」政策は継続され、新型ウイルスに感染した人は隔離あるいは入院しなければならない。濃厚接触者が隔離されたり、陽性者の自宅周辺が封鎖されたりする可能性もある。

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Eコマース(電子商取引)専門家のチェン・イン氏は、ロックダウンが緩和された後も自宅で仕事をする予定だったが、2歳の息子を心待ちにしていた散歩に連れて行くかもしれないとAFP通信に語った。

「もともと私たちは自由だったはず。それを再び与えられたからといって今更深く感謝するとは思わないでほしい」

長期的ロックダウンの影響

ロックダウンにより多くの住民が収入を失った。十分な食料を得るのに苦労し、長期化する孤独に対処する精神的な苦労も経験した。

独フォルクスワーゲン(VW)や米テスラなどの欧米自動車メーカーは、スタッフが工場に入れなかったり、移動が制限される「閉ループ」管理の中で業務を強いられたりするなど、新型ウイルス対策の制限措置の影響を特に受けてきた。

マーケティングが専門のアニタ・シュウ氏は、「ちょっと不意打ちを食らった感じだ」、「外出できたとしても、何ができるのかわからない」とAFP通信に語った。

上海とその周辺でレストランやバー、ジムを運営するキャメル・ホスピタリティ・グループのマネージング・ディレクター、トッド・ピアソン氏はロイター通信に対し、慎重な見方を示した。

「経済の再始動のために物事を急いで進めてくれることを期待している」としつつ、「そのせいで感染がまた拡大しないことを望んでいる。多くの企業や市民がこれ以上の事態に対処できるかどうかわからない」と述べた。

中国では新型ウイルスのパンデミックで、少なくとも1万4604人が死亡し、242万6568人が感染。人口の90%近くがワクチン接種を終えている。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、世界全体の死者数は少なくとも628万9241人に上っている。

(英語記事 Shanghai eases lockdown after two months

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61655387

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