2022年6月26日(日)

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2022年6月2日

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イギリスで2日、エリザベス女王の即位70周年「プラチナ・ジュビリー」の4日間にわたる祝日が始まった。

エリザベス2世は1952年、父のジョージ6世の死去を受けて即位した。今年2月6日に70周年を迎え、イギリス史上で最も在位期間の長い君主となった。

また、カナダやオーストラリア、ジャマイカなど15カ国からなるイギリス連邦王国の君主でもある。

「ジュビリー」とは?

エリザベス女王は1926年4月21日に生まれた。ただ、公式の誕生日として6月の第2土曜日が制定されている。これは女王の曽祖父に当たるエドワード7世からの伝統で、11月生まれのエドワード7世が、公の祝典を気候の良い時期に行いたいとして始めた。

「ジュビリー」は在位期間の節目を祝うもの。女王はこれまでに、1977年(即位25周年)の「シルバー・ジュビリー」、2002年(即位50周年)の「ゴールデン・ジュビリー」、2012年(即位60周年)の「ダイヤモンド・ジュビリー」を祝っており、今回が4回目となる。

ジュビリーの年には年間を通じてさまざまな公式の式典が計画されているが、主要な祝典は、6月初めの4日間の祝日に集中する。これには、女王の公式誕生日を祝うパレード「トゥルーピング・ザ・カラー」も含まれる。

また、この4日間には、イギリス全土で屋外でのストリート・パーティーが開催される。通常は日付が変わる前に閉店となるパブやバー、ナイトクラブなども、午前1時まで営業する。

6月2日には式典の一環として、エリザベス女王が王族と共に、バッキンガム宮殿のバルコニーに登場する予定だ。

しかしバッキンガム宮殿は、バルコニーには「公務に従事している王族」のみが参加するとしており、公務を引退しアメリカに在住しているエリザベス女王の孫、サセックス公ハリー王子とメガン妃は姿を見せないと述べた。


エリザベス女王のプラチナ・ジュビリー主要行事

  • 6月2日:エリザベス女王の公式誕生日を祝うパレード「トゥルーピング・ザ・カラー」が行われる。また、全国2000以上の都市でプラチナ・ジュビリーのかがり火がともされる
  • 6月3日:セント・ポール大聖堂で感謝のミサが執り行われる。同聖堂にあるイギリス最大の鐘「グレート・ポール」も鳴らされる
  • 6月4日:イングランドのエプソムダウンズ競馬場でダービーが開催される。バッキンガム宮殿では、王室とBBCの共同主催による祝賀パーティーが開催される
  • 6月5日:各地で「ビッグ・ジュビリー・ランチ」と称した持ち寄りのパーティーや、ストリート・パーティーが開催される。ロンドン中心部では、1万人が参加する「プラチナ・ジュビリー・ページェント(行列)」が催され、王室所有の8頭立ての馬車「ゴールド・ステート・コーチ」も登場する

エリザベス女王の即位と戴冠式

イギリスでは君主が亡くなるとすぐに、王位継承権第1位の王族が王または女王となる。その後、前君主の喪が明けてから、正式な戴冠式が行われる。

エリザベス2世の戴冠式は1953年6月2日に行われた。史上初めてテレビ中継され、2000万人以上が見守った。

戴冠式の主要な部分は、数百年にわたってほとんど変わっていない。式典はイギリス国教会のカンタベリー大主教が行い、君主は「聖油」を塗られ、国家元首の証である王笏(おうしゃく)と宝珠を受け取り、聖エドワード王冠を被せられる。

女王の公務

エリザベス女王は立憲君主だ。つまり、国家元首でありながら、その権限は象徴的、儀礼的なものであり、政治的には中立を保っている。

女王のもとには毎日赤い箱で、重要な会議に先立つ文書や、正式な署名が必要な書類など、政府からの通信が送られてくる。

女王は70年の在位期間中、計14人の首相と仕事をしている。首相は通常、毎週水曜日にバッキンガム宮殿で女王と面会し、政府での出来事を報告することになっている。

この面会は特別顧問などは同席せず、公的な記録も作られない、完全にプライベートなものだ。

女王はまた、議会でもさまざまな公務を行っている。

  • 内閣の解散と任命:総選挙に勝利した政党の党首はバッキンガム宮殿に招かれ、新内閣の発足を命じられる。女王はまた、総選挙前の内閣の解散を正式に宣言する
  • 議会の開会式と演説:女王はイギリス議会の開会を宣言するとともに、上院の王座で政府の施政方針演説を読み上げる
  • 国王裁可:議会で可決した法案は、女王の承認をもって正式な法律となる。イギリスの君主が最後に国王裁可を拒否したのは1708年

これ以外にも、首相や枢密院議員との定期的な面会、各国首脳の訪英行事の主催、イギリスに駐在する外国大使や高等弁務官との面会がある。また、ロンドンで毎年行われる戦没者追悼式典は、通常、女王が中心となって行われる。

エリザベス女王はまた、600以上の慈善団体や軍関係の協会、職業団体、公務員団体などのパトロンや会長を務めている。

エリザベス女王の家族は? 王位継承の仕組みは?

エリザベス女王は1947年、昨年4月に亡くなったフィリップ殿下と結婚し、73年以上を共に過ごした。2人は4人の子供に恵まれた。第1子はチャールズ皇太子で、アン王女、アンドリュー王子、エドワード王子と続いた。また現在、8人の孫と12人のひ孫がいる。

エリザベス女王はバッキンガム宮殿に住んでいるが、今年3月には、バークシャーのウィンザー城に定住する予定だと報じられた。このほか、ノーフォークのサンドリガム宮殿や、アバーディーンシャーのバルモラル城を所有している。

王位継承順位は、現在の君主が死亡または退位した場合に、王室のどのメンバーが君主を引き継ぐかを定めたものだ。君主の第1子がその第1位、つまり王位継承者となる。

イギリスの王位継承順位は、数百年前に定められたルールにのっとっている。2013年には、弟が姉より継承順位で優先されないよう変更が加えられた。

エリザベス女王の王位継承者は、第1子のチャールズ皇太子。2位は皇太子の第1子のウィリアム王子、第3位は同王子の第1子のジョージ王子となる。その後はシャーロット王女とルイ王子が4位、5位と続き、現在の6位は、チャールズ皇太子の第2子であるハリー王子だ。

チャールズ皇太子は王位継承者として、エリザベス女王が病気などで公務を行えない場合の「臨時摂政」を担うことがある。5月には、女王が議会の開会式を59年ぶりに欠席した際、女王の代わりに開会を宣言した。

主な王族は以下の通り。

  • チャールズ皇太子(ウェールズ公):エリザベス女王の代1子で、女王が亡くなった後に国王となる予定。コーンウォール公爵夫人カミラさんと結婚している。ロンドンのクラレンスハウス、およびグロスターシャーのハイグローヴに住んでいる
  • ウィリアム王子(ケンブリッジ公爵):チャールズ皇太子と、最初の妻である故ダイアナ元妃との間の第1子。ケイト妃と結婚しており、ジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子の3人の子供がいる。住居はロンドンのケンジントンハウス
  • アン王女:エリザベス女王の第2子で、唯一の娘。第一王女(プリンセス・ロイヤル)の称号を持っている。ティモシー・ローレンス中将と結婚している。最初の夫であるマーク・フィリップス大尉との間に、ピーター・フィリップスさんとザラ・ティンダルさんの2人の子供がいる
  • エドワード王子(ウェセックス伯爵):エリザベス女王の第4子。妻はウェセックス伯爵夫人ソフィーさんで、レイディー・ルイーズ・ウィンザーとセヴァーン子爵ジェイムズの2人の子供がいる
  • ハリー王子(サセックス侯爵):チャールズ皇太子とダイアナ妃の第2子。妻はサセックス侯爵夫人メガン妃で、アーチーちゃんとリリベットちゃんの2人の子供がいる。ハリー王子は2020年に王族の公務を引退し、家族で米カリフォルニア州に移住した
  • アンドリュー王子(ヨーク公爵):エリザベス女王の第3子。ヨーク公爵夫人サラさん(離婚)との間にベアトリス王女とユージーン王女の2人の子供がいる。アンドリュー王子は今年1月、2001年に当時17歳のヴァージニア・ジュフリー氏に性的暴行をした疑惑を受け、公務を引退した。2月にはジュフリーさんとの民事訴訟で和解し、金額非公開の和解金を支払った

(英語記事 Who's in the UK Royal Family and how does it work?

提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-61657892

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