2022年6月29日(水)

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2022年6月2日

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イギリスで2日、エリザベス女王の即位70周年「プラチナ・ジュビリー」を祝う4日間の連休が始まった。女王は国民へのメッセージで、多くの人がイベントを開催して祝ってくれることへの感謝を表明し、「たくさんの幸せな思い出」ができるだろうと語った。

この4日間には、イギリス各地の路上などでストリート・パーティーが開かれる。また、公式行事も数多く計画されており、2日には女王の公式誕生日を祝うパレード「トゥルーピング・ザ・カラー」が、最終日の4日にはロンドン中心部で「プラチナ・ジュビリー・ページェント(行列)」が予定されている。

英王室バッキンガム宮殿は連休に先立ち、女王の新しい写真を公開した。女王がここ数年主な住居としているウィンザー城のヴィクトリア・ヴェスタビュール(玄関ホール)で、今年初めに写真家のロナルド・マケンジーさんが撮影した。

女王はクッションの敷かれた窓際に座り、満足げな表情を浮かべている。遠方にはウィンザー城の有名な円塔が見えている。

マケンジーさんは2016年、女王の90歳の誕生日の際にも、女王が息子のチャールズ皇太子と孫のケンブリッジ公爵ウィリアム王子、ひ孫のジョージ王子と共にいる場面の写真を撮影している。

2日に公開されたメッセージでエリザベス女王は、「イギリスやイギリス連邦で、コミュニティーや家族、近隣の人たち、友人たちと共に、私のプラチナ・ジュビリーを祝うための集まりに関わってくれた人たちに感謝します。こうしたお祭りの機会に、たくさんの幸せな思い出ができることでしょう」と述べた。

「私はこれからも、頂いた好意から元気をもらいます。そして自信と熱意をもって未来を見据える中で、この数日間が、この70年間に得たことを思い返す機会になることを願っています」

女王の誕生日の叙勲、1134人に

2日には、女王の公式誕生日を祝した叙勲が発表された。著名人では、俳優のデイミアン・ルイスさんや服飾デザイナーのステラ・マッカートニーさんが「大英帝国勲位コマンダー(CBE、3等)」を受けた。

また、絵本作家ロアルド・ダールさんの挿し絵を長年担当してきたサー・クエンティン・ブレイクが、コンパニオンズ・オブ・オーナー勲章を受勲した。

この勲章は65人に限定されており、俳優のデイム・ジュディ・デンチや、自然ドキュメンタリーなどで知られる自然学者サー・デイヴィッド・アッテンボローが名を連ねている。

スポーツ界では、2022年の北京冬季五輪でイギリスに唯一の金メダルをもたらしたカーリング代表団が、「大英帝国勲章オフィサー(OBE、4等)」や「大英帝国勲章メンバー(MBE、5等)」を受けた。

今回の叙勲対象者は1134人。英政府によると、そのうち地域への貢献などで勲章を得たのは653人だった。また、51.5%が女性だったほか、少数民族系が13.3%を占めた。

ボリス・ジョンソン首相は、叙勲はエリザベス女王の持つ「多くの資質」を反映しているものだとコメント。また、イギリス中のコミュニティーを支援した「あらゆる職業の人々」に対するものだと話した。

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4日間の予定は?

2日に行われるパレード「トゥルーピング・ザ・カラー」には、陸軍王室師団から1500人以上の高官・兵士と350頭の馬が参加する。また、王立空軍による儀礼飛行も行われる。

エリザベス女王は、他の王室メンバーと共に、バッキンガム宮殿のバルコニーに登場してパレードを見守るとみられている。

バッキンガム宮殿は、バルコニーには「公務に従事している王族」のみが参加するとしており、公務を引退しアメリカに在住しているエリザベス女王の孫、サセックス公ハリー王子とメガン妃は姿を見せないという。

サセックス公爵夫妻はプラチナ・ジュビリーに合わせてイギリスに戻ってきており、バッキンガム宮殿近くのホーズ・ガーズ・パレードから、チャールズ皇太子による観兵式などを見る予定だ。

一方、エリザベス女王の次男であり、今年3月にアメリカでの訴訟を受けて公務を引退したアンドリュー王子は、式典には参加しない。

この日の夜には、プラチナ・ジュビリーを祝し、全国で3000個以上のかがり火がともされるイベントがある。バッキンガム宮殿前にも「Tree of Trees(木の中の木)」と題されたかがり火が設けられるほか、女王も、ウィンザー城に設置された大きなかがり火をともす特別式典に参加する。

また、BBCの長寿ドラマ「イーストエンダーズ」に、チャールズ皇太子と妻のカミラさんが特別出演する。皇太子夫妻は、イーストエンダーズの登場人物たちが暮らす「アルバート・スクエア」でのストリート・パーティーに参加するという。

3日には、セント・ポール大聖堂で感謝のミサが執り行われる。女王の体調に合わせ、大聖堂への道中でパレードは行われず、到着後も階段を使わない入り口から入場する予定だ。

4日には、エプソムダウンズ競馬場でダービーが開催されるが、女王が参加するかは明らかになっていない。96歳の女王は最近、歩行に困難があり、公のイベントを相次いで欠席している。

この日の夜、バッキンガム宮殿では王室とBBCの共同主催による祝賀コンサートが開催される。歌手のダイアナ・ロスさん、ジョージ・エズラさん、アリシア・キーズさん、ナイル・ロジャーズさんなどが出演。会場には2万2000人の観客をいれるほか、テレビ中継も行われる。女王はテレビでコンサートを楽しむという。

なおこの日は、サセックス侯爵夫妻の第2子リリベットちゃんの1歳の誕生日でもある。リリベットという名前は、エリザベス女王の家族内のあだ名から付けられた。

最終日の5日には、各地でストリート・パーティーやバーベキューが予定されている。また、「ビッグ・ジュビリー・ランチ」と称した持ち寄りのパーティーが8万5000件計画されている。

ジュビリーの連休の最後を飾るのは、ロンドン中心部で行われる「プラチナ・ジュビリー・ページェント(行列)」。6000人のパフォーマーと200人近くの著名人が参加するほか、王室所有の8頭立ての馬車「ゴールド・ステート・コーチ」も登場する。

ページェントの最後には、バッキンガム宮殿の外で歌手のエド・シーランさんが、イギリスのスター歌手らの合唱をバックにイギリス国歌を歌う。

反君主制の人々は

一方、イギリス国民全員が女王の即位70周年を祝っているわけではない。君主制に反対する活動団体「リパブリック」によると、最近の世論調査では「イギリス人はそれほど王室のイベントを気にしていない」という。

同団体のグレアム・スミスさんは、「ジュビリーはイギリスのお祝いではない。君主制と王室ブランドを奨励するために慎重に演出されたイベントだ」と指摘した。

また、スコットランド緑の党は1日、スコットランド議会をボイコット。この日の議会での審議で、議員らがプラチナ・ジュビリーを祝う一幕があったためだった。

声明の中で同党は、国家元首は有権者によって選ばれ、説明責任を負うべきだと主張。「我々は異なる信念を尊重しており、その祝祭を奪う意図はない」とした上で、ジュビリーを祝うための時間を「有権者のために使った」と述べた。

ナディン・ドリス文化相はBBCのラジオ番組に出演し、イギリスの君主は最近のスキャンダルにもかかわらず「これまで以上に強力」になっていると説明、今回のジュビリーは、この数年続いたひどいパンデミックの後に、人々が「少しリラックスして楽しむ」機会になると述べた。

(英語記事 Portrait of Queen released as UK set for Jubilee/Jubilee honours for Damian Lewis and Clare Balding/Green MSPs boycott Queen's jubilee debate

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61670117

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