2022年6月29日(水)

BBC News

2022年6月3日

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アメリカのジョー・バイデン大統領は2日、銃を使った「集団殺害」が続発していることを受け、半自動小銃などを含むアサルトウェポン(突撃銃)や大容量の弾倉を禁止すべきだとの考えを表明した。

アメリカでは先月以降、銃乱射事件が相次いでいる。ニューヨーク州バッファローテキサス州ユヴァルディオクラホマ州タルサの事件では、いずれも多数の死傷者が出ている。

2日も、バイデン氏が演説の準備をしている最中に、ウィスコンシン州ラシーンの墓地で複数の人が銃で撃たれる事件が発生した。

バイデン氏はこの日夜に、ホワイトハウスから国民に向けて演説。アメリカでは、日常生活の場が「キリング・フィールド」(殺害場所)になっている状況があまりに多いと述べた。

また、議会に対し、殺傷能力の高い武器を非合法にできないなら、購入可能な最低年齢を18歳から21歳に引き上げるよう努めるべきだと述べた。

さらに、連邦当局による銃購入者の身元調査の拡充や、警察が危険とみなした人物から武器を取り上げられるようにする「レッドフラッグ法」の全国的な導入を求めた。

「子どもたちを守る」

バイデン氏は演説で、銃をめぐる取り組みについて、「誰かの銃を取り上げるものではない」、「誰かの権利を奪うものでもない」と説明。「子どもたちを守るということだ」と訴えた。

その上で、「いったいなぜ一般市民が、30発の弾倉があり、たった数分で何百発もの発砲が可能な突撃銃を購入できるのか」と述べ、現行制度を問題視した。

また、自身が成立に貢献した、1994年のアサルトウェポン禁止令に言及した。同令は10年で失効。以降、銃暴力を減らす効果があったのか、激しい議論が続いている。

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党派の溝がくっきり

アメリカでは、個人が銃を所有する権利が、合衆国憲法修正第2条に明記されている。

現在の連邦議会が、銃規制法案を可決するかは不透明だ。この問題における議会の行き詰まりは、2日の議会でも明らかだった。

下院司法委員会は、新たな銃規制法案を議論する緊急会議を開催。自宅からズームで参加した共和党のグレッグ・スティービー下院議員(フロリダ州)は、自ら所有する拳銃を数丁見せながら、規制法案が可決されればそれらが禁止対象となると述べた。

テキサス州の民主党議員が、「弾がこめられていないといいが」と言うと、スティービー氏は、「自宅にいるのだから、自分の銃でしたいことは何でもできる」と答えた。

共和党のルイ・ゴーマート下院議員(ルイジアナ州)は、民主党について、「共和党を殺人の加担者だと非難している」と発言。「よくもそんなことが言える。私たちには心がないと思っているのか」と述べた。

最高裁が厳しい規制を覆す可能性も

民主党が主導する「子どもを守る法」の法案は、8つの異なる銃規制法案を組み合わせている。また、バイデン氏が2日に明らかにした提案の多くを含んでいる。

同法案は来週にも下院を通過する可能性があるが、上院で可決される見込みはない。

超党派で合意に至るかもしれないのが、レッドフラッグ法の拡大だ。両党の上院議員は2日に2回目の会合を開き、これを協議した。

一方、連邦最高裁は、全米で最も厳しいニューヨークの銃規制法の1つについて審議中だ。同法は、公共の場で銃を所持する人に対し、厳しい制限を課している。

最高裁判事らからは、昨年11月の公聴会で、この法律に反対するコメントが出た。もし法律が破棄されれば、全国の州レベルのアサルトウェポンや大容量弾倉の所持禁止が覆されることにつながりかねない。

銃問題の団体「銃暴力アーカイブ」によると、アメリカでは今年に入ってから233件の銃による集団殺害事件が発生している。同団体は集団殺害事件を、「犯人を除く4人以上が撃たれるか殺されるかした事件」と定義している。

(英語記事 Biden calls for US ban on military-style firearms

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61680268

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