2022年6月30日(木)

BBC News

2022年6月7日

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米富豪のイーロン・マスク氏が、ツイッターの買収計画を撤回する可能性があるとして同社に圧力をかけてることが6日、明らかになった。ユーザーベースについてのさらなる情報の開示要求を、ツイッターが「妨害」していると非難している。

マスク氏は、440億ドル(約5兆8000億円)でツイッターを買収する計画を明らかにしている。ただ、スパムアカウントにまつわる追加情報が得られるまでは、取引を「保留」すると明言している。

そうした中、マスク氏は米証券取引委員会に書簡を提出。スパムアカウントの計測を独自に行う権利があると主張した。

これにより、ここ数週間続いてきた論争が正式に問題化した。書簡によると、双方はこの問題で5月上旬からやり取りしてきたという。

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スパムアカウントをめぐっては、ツイッターは、同社の推定値が正しいとしている。

しかしマスク氏は、スパムや偽のアカウントは、1日の利用者の5%未満だとするツイッターの公表より、はるかに多いはずだと主張。ボット(自動プログラム)は、利用者の20%以上を占める可能性があるとしている。

この議論に6日、テキサス州のケン・パクストン司法長官が参入した。ツイッターに対して、「偽のボットアカウントをめぐって虚偽の報告をした可能性」について捜査を開始したと明らかにした。ツイッターは今月27日までに、司法長官の情報提供の要請に応じる必要がある。

「情報を得る権利を妨害」

今回の書簡では、マスク氏の弁護士のマイク・リングラー氏が、ツイッターのオーナー候補となっているマスク氏には、データを入手する権利や、アクティブユーザーベースについて完全かつ正確に理解する必要があると主張。

「ツイッターのこれまでの行動と、とりわけ最新の対応からみて、マスク氏は同社が積極的に抵抗し、情報を得る権利を妨害していると考えている」とした。

その上で、「これは合併合意にあるツイッターの義務に関する明白で重大な違反だ。マスク氏は取引を完了しない権利や、合併合意を終了させる権利など、その結果生じるすべての権利を留保する」とした。

今回の紛争で、ツイッターの取締役会が4月に承認した買収の行方はさらに不明確になっている。

ツイッターは声明で、「合併合意の条項に従って取引を完了するため、マスク氏とは協力的に情報を共有しており、今後もそうし続ける」とした。

ツイッターはマスク氏について、取引を確実にすることに熱心で、デューデリジェンス(適正評価)をめぐる典型的な権利を放棄したとしている。ただ、合意した価格と条件での買収については、完了させる意向だとした。

最も強いシグナルとの見方も

マスク氏は買収を撤回した場合、10億ドルの違約金と訴訟の可能性に直面する。

スパムアカウントについては、マスク氏は先月初めて、ソーシャルメディア上で問題を提起。買収は保留にするが、決意は変わらないと述べた。

アナリストらは、マスク氏が価格の再交渉や取引の解消のために、この問題を利用しているかもしれないとしている。また、ソーシャルメディアでの問題提起は型破りであり、マスク氏の本気度を測るのは困難だとしている。

英金融サービス企業ハーグリーヴス・ランズダウンのシニア投資・市場アナリスト、スザンナ・ストリーター氏は、今回の書簡について、「マスク氏が手を引く用意があると示す、これまでで最も強いシグナル」だと述べた。

(英語記事 Musk threatens to walk away from Twitter deal

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61715199

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