2022年6月28日(火)

BBC News

2022年6月12日

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米ニューヨーク州北部とテキサス州で乱射事件が相次いだアメリカで11日、「撃たれない自由」を求めて抗議する数万人が銃規制の強化を求めて行進した。銃規制強化の法案成立を推進しているジョー・バイデン米大統領はこの日の抗議行動を支持し、連邦議会に対して「良識的な銃安全対策法案を可決」するよう呼びかけた。

テキサス州ヒューストン、首都ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなどで一斉に行われた11日の行進は、2018年2月にフロリダ州パークランドで起きた高校銃撃事件の生存者たちが、銃規制強化を求めて立ち上げた団体「自分たちの命のために行進(MFOL)」が主催。全米450カ所で集会が行われたという。

同団体は声明で、「大勢が殺され続けているのにあなたたち(政治家が)何もしないでいるのは、これ以上許さない」と述べた。

アメリカでは5月24日にテキサス州ユヴァルディの小学校で乱射事件があり、7歳から10歳の生徒19人と教師2人が死亡した。その10日前には、米ニューヨーク州バッファローのスーパーで銃撃事件があり、10人が死亡した。

これを受けてアメリカであらためて武器の保有権と銃規制強化について議論が高まる中で、11日の抗議行動が各地で行われた。ワシントンの集会は連邦議会議事堂を臨むナショナル・モール公園で開かれた。

集会では、4年前のパークランドの高校銃撃事件で助かったデイヴィッド・ホッグさんが、ユヴァルディで小学生が殺されたことで「自分たちは激しく怒り、変化を要求すべきだ」と主張。「果てしない議論ではなく、今すぐ変化を実現するよう、求めなくてはならない」と呼びかけた。

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人種差別が動機になったとされるニューヨーク州バッファローの銃撃事件で、86歳の母親を失ったガーネル・ウィットフィールドさんはワシントンの集会で、「私たちは正義を求めてここにいる。私たちは、まともな銃規制法を求める勇気のある人たちと共に立つため、ここにいる」と述べた。

MFOLが求める銃規制強化の中には、アサルトウェポン(殺傷力の高い自動小銃など)の禁止、銃購入者全員に対する一律の身元調査、全国統一の銃所持者登録制度の導入などが含まれる。

ワシントンの集会を取材したBBCのバーバラ・プレット=アッシャー記者は、小学校教師のリンジー・エリンさんに話を聞いた。野党・共和党の間で、発砲事件対策として小学校でも教師が武装するべきだという意見が一部から出ていることについて、エリンさんは絶対反対だと断言。「子供たちは先生にしがみついてくる。教師のシャツについているものをつかんだりする」とエリンさんは言い、それにもかかわらず教師が教室で銃を携行するようになれば、「とんでもないことになる」と述べた。

政界の動きは

ジョー・バイデン米大統領はこの日の抗議行動を支持し、連邦議会に対して「良識ある銃の安全対策法案を可決」するよう呼びかけた。ユヴァルディでの事件後に「いつになったら我々は銃ロビーに立ち向かうのか」と述べたバイデン氏は、連邦議会が審議中の規制強化法案の成立を求め、殺傷力の高いアサルト・ウェポンの禁止、購入時の身元調査拡大などの対策導入を呼びかけている

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バイデン氏はツイッターで、「この国の若者が今日、またしても@AMarch4OurLivesと共に行進し、良識ある銃の安全対策法案の成立を連邦議会に呼びかけている。アメリカ人と銃所有者の大半がこの法案を支持している」と書き、「私もまた一緒に、連邦議会に呼びかける。何とかしなさい」と、議会に法案可決を求めた。

与党・民主党が多数を占める米下院は8日、21歳未満の人への半自動小銃の販売や、大容量弾倉を禁止する法案を可決した。しかし、野党・共和党内では銃規制強化への反対が根強い。このため、与野党が拮抗する上院が、これを可決する見通しはきわめて低い。

上院ではこのほか、超党派の議員団が与野党とも賛成できる銃規制法案を取りまとめようとしているが、まだ合意は得られていない。この超党派の案は、周囲に危険をもたらすと予見される個人を特定し、銃販売を禁止する州法の成立を各州に促すといった、比較的小規模な改革を目指している。

(英語記事 March For Our Lives: Tens of thousands rally for stricter US gun laws

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61773504

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