
アラブ首長国連邦(UAE)当局は13日、同国で16日公開予定だった米ディズニーとピクサーによる映画「バズ・ライトイヤー」の上映を禁止すると発表した。
UAEのメディア規制局は、上映禁止を示す赤い線が引かれた映画「バズ・ライトイヤー」の画像をツイート。「国のメディアコンテンツ基準に違反している」ため上映が禁止されたと説明した。
だが、具体的な理由は明らかにしていない。この映画には同性同士のキスシーンが含まれている。
https://twitter.com/uaemro/status/1536251764202164224
最新作は「トイ・ストーリー」シリーズに登場する「バズ・ライトイヤー」を中心に描かれている。
BBCはUAE政府とディズニーにそれぞれ、コメントを求めている。
同性愛やLGBTQの作品が禁止に
UAEは6カ月前に映画の検閲を廃止し、成人向けの内容を含むものについては鑑賞年齢を21歳以上とすると発表したばかり。
イスラム教スンニ派が主流のUAEでは、成人の同性同士の合意に基づく性的行為は刑罰の対象となっている。
昨年公開のピクサー映画「2分の1の魔法」(原題:オンワード)は、レズビアンの親の描写があることから、中東の一部の国で上映禁止となったと報じられた。
今年4月にはサウジアラビアが、ディズニー映画「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」での「LGBTQ(性的マイノリティー)への言及」を削除するよう要求。最終的に同国での上映は見送られた。
これまでにも、英歌手サー・エルトン・ジョンの伝記映画「ロケットマン」(2019年公開)など、同性愛者のストーリーが描かれた映画が世界各地で検閲の対象となったことがある。「ロケットマン」はサモアでは全面的に禁止され、ロシアの配給会社はセックスシーンをカットした。