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2022年6月18日

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南米アマゾンの熱帯雨林でイギリス人ジャーナリストのドム・フィリップスさん(57)とブラジル人先住民専門家ブルーノ・ペレイラさん(41)が行方不明になり、容疑者が殺害と死体遺棄を自白した事件について、ブラジル警察は17日、現場から見つかった遺体のうちの1人のものがフィリップスさんだと確認されたと発表した。

警察は、歯科記録からフィリップスさんの身元を特定した。2人目の遺体はペレイラさんのものだとみられているが、現在も検視が続いている。

フィリップスさんとペレイラさんは今月5日、ブラジル北西部アマゾナス州のジャヴァリ地域をボートで移動していて行方不明になった。15日には男性容疑者が2人を銃で殺害し、死体を遺棄したと自白した。

警察によると、アマリルド・ダ・コスタ・デ・オリヴェイラ容疑者は2人の殺害の様子を詳細に話し、捜査官に死体遺棄現場を示したという。現場からは、人間の遺体が掘り出されたという。

警察は、アマリルド容疑者のきょうだいのオセニー・ダ・コスタ・デ・オリヴェイラ容疑者も、事件に関与した疑いがあるとして逮捕したが、オセニー容疑者は一切の関与を否定しているという。

フィリップスさんの遺族は容疑者の自白を受けて声明を発表し、「胸が張り裂けそうだ」と語った。

「捜索に参加したすべての人、特に襲撃の証拠を見つけるために精力的に活動した先住民族のグループに感謝しています」

「また捜索を強化するよう当局に働きかけてくれた多くの人々、慰めやお見舞いの言葉をかけてくださった人々にも感謝します」

フィリップスさんの妻、アレッサンドラ・サンパイオさんは別の声明で、「夫を家に連れて帰り、愛情の込めたさようならができます」と述べた。その上で、容疑者の自白は「正義の追求」の始まりだと話した。

フィリップスさんは、ブラジルで10年以上暮らし、英紙ガーディアンに長年寄稿していた。アマゾンに関する本を執筆中だった。

ペレイラさんは、先住民関連のブラジル政府機関フナイに所属する先住民の専門家で、勤務先から休みを取っていた。フィリップスさんの調査にガイドとして同行していたが、2人の乗ったボートが予定通りペルー国境に到着せず、捜索が始まった。

2人が行方不明となったブラジル北西部アマゾナス州のジャヴァリ地域には、20以上の先住民グループに属する数千人が、外界と接触せずに暮らしている。

ジャヴァリ地域、なぜ危険?

専門家によると、ジャヴァリ地域は遠隔地で、政府の監視が行き届いていないことから、犯罪の温床となっているという。

保護対象の魚の密漁に加え、違法な金採掘や森林伐採、隣国のペルーやコロンビアからのコカインの密輸入なども行われている。さらに、コカインを密輸入する水路を確保したい麻薬密売組織による暴力も拡大しているという。

ポルトガルと同じ面積のこの地域では、様々な犯罪組織や政府当局、先住民グループの間で暴力的な紛争が続いている。フィリップスさんとペレイラさんはこの紛争を取材していた。

複数の先住民グループによると、ペレイラさんは行方不明になる数日前、この地域での違法漁業について反対運動を展開しているとして、脅迫されていたという。過去にも繰り返し、森林伐採や採掘関係者、違法漁業の従事者から脅迫を受けたと通報していた。

2人の家族や活動団体などは当初、もっと素早く、かつ広範囲に捜索するべきだとして当局を批判していた。国際的な関心と怒りの声が広がったことで、10日間の捜索にはブラジル陸海軍と警察も出動した。

警察は当初、捜索や所持品の発見に貢献した先住民コミュニティーの活動を称賛していなかった。

BBCの地元コミュニティーの支援について言及がなかったのはなぜかとの問いに、警察は誤りだったと認め、地元住民の支援が不可欠だったことを認めた。

(英語記事 Body of British journalist identified in Brazil

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61849709

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