2022年7月4日(月)

BBC News

2022年6月18日

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イギリスのボリス・ジョンソン首相は17日、ウクライナの首都キーウを訪問し、ウクライナ軍に「戦争の方程式を変える」ような訓練プログラムを提供すると発表した。

ジョンソン首相のウクライナ訪問は、ロシアが2月に侵攻して以来、2回目。国内で議員との会合を急きょキャンセルしての、電撃訪問だった。

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領との共同記者会見でジョンソン首相は、ウクライナ軍に対する訓練プログラムの概要を説明。「ウクライナの勝利への決意という、最強の力」を活用するものだと述べた。

「前回の訪問から2カ月がたったが、ウクライナの気概や決意、抵抗力はこれまで以上に強くなっている。この不屈の決意が、プーチン大統領の無駄な野望よりも長続きすると信じている」

英首相官邸によると、イギリスは120日ごとに最大1万人のウクライナ兵を訓練する計画を提示。これにより、「配備を加速させ、戦力を再構築し、抵抗力を強化」できるという。ウクライナ兵はこの訓練で「最前線で勝ち抜くためのスキル、基本的な医療訓練、サイバーセキュリティー、対爆発物戦術」などを学ぶことになる。

ゼレンスキー大統領がこの提案に応じれば、訓練の規模などが協議される予定。訓練はウクライナ国外で行われる見込みだという。

同大統領は通信アプリ「テレグラム」への投稿で、「この戦争が長引くにつれ、イギリスのウクライナに対する支援が確かなものだと証明されている。ウクライナにとって最大の友人、ジョンソン首相の再訪を歓迎する」と述べた。

ジョンソン首相に先駆け、16日にはフランス、ドイツ、イタリア、ルーマニアの各首脳もキーウでウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談。欧州委員会はその後、ウクライナを欧州連合(EU)加盟候補国として推薦すると発表した。

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国内議員との会合を直前キャンセル

イギリスでは23日に下院の補欠選が予定されている。ジョンソン氏はこの日、イングランド北部ウェイクフィールドでの補選を目前に、イングランド北部が地元の与党議員たちとの会合をキャンセルし、ウクライナへ向かった。

ベン・ウォレス国防相は、首相のキーウ訪問は「全く秘密裏」に予定されていたと説明。戦時下にある同盟国への支援を示すことが重要だったと述べた。

ウォレス氏はツイッターで、「ウクライナの勝利を助けることと、国内の支援は関連している。インフレの原因の一つはガスや食料の価格だが、その上昇の一部はこの紛争に起因している」と述べた。

しかし、北部の経済支援団体「ノーザン・パワーハウス・パートナーシップ」のヘンリ・ムリソン会長はBBCに対し、首相は議員や地元住民と触れ合う「機会を逃した」と指摘。

「ジョンソン首相がウクライナにいることの重要性を高く評価し、重要だと考えているが、問題はタイミングだ。(ウクライナ訪問は)別の時期に行えたはずだ」と述べた。

保守党議員団「北部調査グループ」のジェイク・ベリー会長も、ジョンソン氏が会合に出席しないのは「侮辱ではない」と述べた半面、「人々は明らかに失望していた。30人以上の議員と、400人の保守党員が集まっていたのに」と語った。

BBCのアレックス・フォーサイス政治担当編集委員は、ジョンソン首相のウクライナ対応は保守党内でも高く評価されていると解説。

一方で、ロックダウン中の官邸パーティー問題をはじめとする指導力への疑問や、難しい補欠選を来週に控えるなど、国内での苦境は解消されないと述べた。

(英語記事 Boris Johnson visits Ukraine to meet Zelensky

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61849710

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