2022年7月3日(日)

BBC News

2022年6月20日

»著者プロフィール

南米コロンビアで19日、大統領選挙の決選投票が行われ、元左翼ゲリラで首都ボゴタの市長などを務めた左派のグスタボ・ペトロ上院議員(62)が勝利した。コロンビアで初めて左派政権が誕生することになった。

開票結果によると、ペトロ氏の得票率は50.5%。右派で建設業界の大物、ロドルフォ・エルナンデス氏よりも得票数で70万票上回った。

当選したペトロ氏は「神と国民の勝利」だと選挙結果をたたえ、「これまでのひどい苦しみは、祖国の心に今日あふれかえる喜びで、和らぎますように」とツイートした。「この日は道や広場の日だ」とも書いた。

ペトロ氏と共に副大統領候補として選挙戦を戦ったフランシア・マルケスさんは、シングルマザーで元家政婦。コロンビアで初めて黒人女性が副大統領に当選した。

敗れたエルナンデス氏は、ティックトックなどソーシャルメディアを多用する、伝統とは異なる選挙戦を展開。落選もソーシャルメディアに投稿した動画で認めた。

「コロンビアの皆さん、過半数の市民が本日、もう片方の候補を選んだ。選挙戦で言い続けたように、この選挙結果を私は受け入れる。グスタボ・ペトロ氏がこの国の動かし方を知っていると期待する。腐敗と闘うと繰り返してきた自分の言葉を守ってもらいたい」と、エルナンデス氏は述べた。

任期満了で退任するイバン・ドゥケ大統領はツイッターで、ペトロ氏に電話で祝意を伝え、「穏やかで制度にのっとった透明な政権交代を実施するため、近日中に会う」ことで合意したとツイートした。

かつてコロンビアで反政府運動を展開した「4月19日運動」(M-19、1990年に武装解除し合法政党に)に所属していたこともあるペトロ氏は、大学教育の自由化や年金改革、生産性の低い土地に対する増税など、数々の大胆な公約を掲げてきた。このほか、「コロンビア革命軍」(FARC)とコロンビア政府による2016年の和平合意の全面的な実施を約束し、「民族解放軍」(ELN)との和平交渉を進める方針を示してきた。

ペトロ氏の大統領選出馬は3度目。2010年には4位で終わり、2018年には決戦投票でドゥケ氏に大差で敗れていた。

前途には「かなりの難問」

新規石油事業の禁止など、ペトロ氏の一部の提案は投資家を驚かせてきたが、多くの有権者は、コロンビアに蔓延(まんえん)する汚職や貧困、政治的暴力の急増などに取り組んでもらうために、ペトロ氏に投票したと話している。

しかし、コロンビア議会の議席は10以上の政党に分かれているため、難易度の高い議会対策が必要となる。

ボゴタ大学で国際関係論を教えるアルレーネ・ティクナー教授は、「国内の分断や、今の政治的、経済的、社会的、人道的危機を思えば、ペトロ政権はかなりの難問に立ち向かうことになる」と話す。

「次期大統領がすでに踏み出した大事な第一歩は、自分の統治力を高めるために国内に幅広い連立を築くこと」だと、教授は言う。

BBCのケイティー・ワトソン南米担当編集委員も、対立候補がペトロ氏の元ゲリラとしての経歴を強調し、その経済政策は国に災難をもたらすと主張していたのに対し、有権者はペトロ氏が掲げた包摂(ほうせつ)性と貧困対策の約束を支持したのだと指摘する。

(英語記事 Gustavo Petro: Leftist ex-rebel wins Colombia's presidential election

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61861162

関連記事

新着記事

»もっと見る