2022年6月26日(日)

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2022年6月21日

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インドで近年で最大規模の降雨と洪水が続いており、北東部アッサム州では村や畑、住宅などが次々と水没している。当局によると、被害は州内35地域のうち32カ所におよび、これまでに少なくとも45人が死亡。また、470万人以上が避難した。

隣接するメガラヤ州でも被害が出ており、先週だけで18人が亡くなっている。アッサム州政府は避難者のための仮設キャンプを1425カ所設置したものの、被害の深刻さから作業は複雑化しているという。また、こうしたキャンプも決して良い環境ではないという。

アッサムの生命線とも呼ばれるブラマプトラ川は定期的に洪水をおこし、肥沃な川岸に住む何百万人もの人々の生命と生活を破壊している。しかし専門家らは、気候変動や非認可の建設活動、急速な工業化などによって異常気象の頻度が高まっていると指摘する。

この地域では5月にも大規模な洪水が発生し、少なくとも39人が亡くなった。インドの気象当局によると、アッサム州では今月に入り、すでに平均降雨量の109%相当の雨が降っている。ブラマプトラ川も、さまざまな地点で危険水位を超えているという。

BBCが取材した当局や地元住民は、今回の洪水の規模は「聖書級」で、アッサム州の社会や経済の仕組みを変えてしまうほどだと言う。

ランギヤ市のジャヴィル・ラフル・スレシュ地区長は、「今回は特に憂慮すべき状況だ。国家災害対応部隊(NDRF)のチームとは別に、救助活動を支援するために軍隊も配備している」と述べた。

「現時点での優先事項は人命救助だ」

アッサム州の遠隔地にあるウディアナ村に住むロンジュ・チョーダリーさんは、水の流れがとても速かったため、数時間で村が完全に沈んでしまったと語った。

チョーダリーさんの家も18日に浸水。20日時点でも、孤島のように水の中に浮かぶ家で救助を待っているという。

一方、同じ村出身のフスナ・ベガムさんはキャンプへと避難したが、「飲み水がないし、息子が熱を出しているのに医者にも連れていけない」と話した。

15日に自宅に水が迫った際、ベガムさんは急流の中を泳いで助けを求めにいったという。ベガムさんは現在、2人の息子と共に急ごしらえのテントで暮らしている。

洪水の被害は特にカンラップ地域でひどく、数百人もの住民が家に閉じ込められたままだという。

当局も、すべての洪水被害者に飲料水と食料を提供できていないことを認めている。

ランギヤ市のスレシュ地区長は、「完全に寸断されたいくつかの地域には、まだ到達するのが困難な状況だ。道路網も水没してしまっている」と話した。

専門家は、洪水への対応改善に向けた州の長年の努力が、気候変動によって複雑化していると指摘。一方で、他にもいくつかの要因があるという。

アッサム大学のジャヤシュリー・ロウト教授(環境科学)は、「今回の洪水の状況は非常に深刻で、雨の頻度もかなり増えていることは間違いない。しかし、それを完全に気候変動と結びつける前に、森林伐採などの人為的な要因を考慮する必要がある」と述べた。

ロウト教授は、 木の根には水を蓄える大きな力があるため、河川の近くでは特に大木の伐採を止めることが急務だと指摘した。

(英語記事 India floods destroy millions of homes and dreams

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61875714

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