2022年6月26日(日)

BBC News

2022年6月21日

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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は20日、アフリカ連合(AU)の会合でビデオ演説し、ロシアの侵攻でウクライナ産穀物の輸出が遮断されていることから、アフリカがロシアによる戦争の「人質」になっていると述べた。

ロシアの侵攻とそれに伴う穀物輸出の遮断は、穀物と肥料不足を引き起こし、何百万人もの人が飢餓のリスクにさらされている。

AUCの議長は、世界の安定を取り戻すために「対話が急務」だと述べた。

西側諸国はロシアに対し、ウクライナ国内に備蓄されたままの膨大な量の穀物を国外へ放出するよう求めている。

輸出が阻まれ、食料価格は高騰している。

ゼレンスキー氏は演説で、「アフリカは事実上、我が国家に対して戦争を仕掛けた者たちの人質になっている」と述べた。

そして、ウクライナの黒海に面した港に滞留している穀物を解放するためにウクライナ政府は「複雑な交渉」に取り組んでいるとした。

「この戦争は、あなた方やあなたの国にとっては非常に遠くで起きていることのように思えるかもしれない」と、ゼレンスキー氏は語った。「ですが、破滅的に上昇する食料価格はすでに、アフリカの数百万の家庭に対して(この戦争の)影響を及ぼしている」

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欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は20日、ゼレンスキー氏の演説に先立ち、ロシアがウクライナからの穀物輸出を阻んでいることについて「真の戦争犯罪」だと述べた。

ボレル氏はまた、ロシア政府の行動は「世界に飢餓を作り出そうとする意図的な試み」だとした。

フランスのカトリーヌ・コロンナ外相は、西側諸国への影響力を求めるロシアは「世界の飢餓をもてあそぶのをやめなければならない」と述べた。

「穀物の輸出を遮断したままにしておくのは、世界の安定にとって危険な行為だ」

こうした中、ポーランドのミハウ・ドボルチク首相府長官とウクライナのオレクサンドル・クブラコフ、インフラ担当相は、ウクライナからの穀物輸出促進に向け、両国国境でのトラックの検問を迅速化するための変更点について協議した。

対ロシア政策で割れるアフリカ諸国

ゼレンスキー氏のAUでの演説は、同氏が演説の実施を要請してから10週間近く経って実現した。

AUにはアフリカ55の国と地域が加盟している。BBCの取材によると、この日のバーチャル会合に出席した国家元首は4カ国のみで、その他の国は代表を派遣した。

アフリカ諸国はロシアの侵攻をめぐる対応で意見が割れている。

3月に国連総会緊急特別会合がロシアの侵攻を非難する決議を賛成多数で採択した際には、アフリカ17カ国が棄権した。

しかし、AU議長国・セネガルのマッキー・サル大統領は20日、演説をしたゼレンスキー氏に謝意を伝えた。

「アフリカは国際法のルール、紛争の平和的解決、貿易の自由を尊重することに引き続き取り組んでいく」

AUは当初、ゼレンスキー氏の演説を望んでいなかった。また、同氏の主張に全面的に同意はしていない。AUはこれまでと同様に、この危機的状況を解決するための対話を求めている。

サル大統領は今月初め、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談。アフリカ諸国がウクライナでの戦争の罪なき犠牲者になっているとし、ロシアが彼らの苦しみを和らげる手助けをすべきだと、プーチン氏に伝えた。



(英語記事 Africa is a hostage of Russia's war, Zelensky says

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61875421

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