
5月の銃乱射事件で生徒19人と教諭2人が死亡した米テキサス州ユヴァルディ市のロッブ小学校が、取り壊されることになった。ドン・マクラフリン市長が21日、市議会で方針を示した。一方、同州の公安当局トップは、事件当時の警察の対応に「ひどい失敗」があったと、州議会で述べた。
マクラフリン市長は、いつ取り壊すかは明らかにしなかった。
「学校は取り壊されるというのが私の理解であり、教育長とも話し合った内容だ。子どもや教諭にあの学校に戻れというのは無理だ」
ロッブ小学校には、2~4年生の約600人が在籍している。
テキサス州上院議員は先月、ジョー・バイデン大統領が学校の取り壊しを提案したと、地元メディアに語っていた。
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アメリカで銃乱射事件の後に学校が取り壊されたケースは、これまでもある。
コネティカット州ニュータウンのサンディ・フック小学校は、2012年に6~7歳の児童20人と教職員6人が銃撃される事件が起きた後、取り壊された。新たな学校が同じ土地に建てられた。
テキサス州の公安当局トップのスティーブン・マックロー氏は、21日の州上院の公聴会で、ロッブ小学校に犯人が侵入した3分後には、犯行を阻止するのに十分な警官がいたと述べた。
警官らは突入するまで、教室の外で1時間以上待機していたとされる。
マックロー氏は、警察の対応について「ひどい失敗」だったとし、現場での対応を指揮したユヴァルディ学校警察のトップ、ピート・アレドンド氏が、「無線とライフル、盾、特殊部隊(SWAT)を待った」と説明。子どもたちの命より警官の命を優先させたと非難した。
アレドンド氏は今月になって、自らが現場指揮官だったとは考えていないとし、警官の突入を待つよう命じてもいないと、地元紙に語った。
5月24日に発生し、サルヴァドール・ラモスという名の18歳の少年の犯行とされたこの事件は、アメリカで銃規制に関する議論を再燃させている。
米連邦上院は21日、銃乱射事件に対応する新たな法案を可決へと前進させた。同法案は、ここ数十年における最も重要な銃規制と呼ばれている。
(英語記事 Site of Texas school shooting to be demolished - mayor/Texas shooting response 'abject failure' - official)