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2022年6月23日

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サッカー界の伝説的選手で、60歳で亡くなったディエゴ・マラドーナさんをめぐり、医療関係者8人が故殺(計画性のない意図的な殺人)の罪に問われ、裁判にかけられることとなった。公判日は未定。

裁判に臨むのは、神経外科医でマラドーナさんの主治医のレオポルド・ルケ医師、精神科医、心理学者、別の医師2人、看護師2人とその上司1人の8人。全員、マラドーナさん死亡の責任を否定している。

8人は、人の死につながるかもしれないと知りながら犯した過失による殺人という法的定義に基づいて裁かれることとなる。

アルゼンチンの刑法によると、有罪となれば8年から25年の禁錮刑が言い渡される可能性がある。

治療は「欠陥だらけ」

元アルゼンチン代表のマラドーナさんは2020年11月、同国ブエノスアイレスの自宅で心臓発作で亡くなった。同月初旬に硬膜下血腫の手術を受け、自宅療養中だった。

その数日後、アルゼンチンの検察はマラドーナさんの治療に携わった医師や看護師について捜査を開始した

20人の専門家からなる医療委員会は昨年、マラドーナさんが受けた治療は「欠陥と不規則なこと」だらけだったと判断。マラドーナさんの医療チームが「不適切で、不完全かつ無謀な方法で」行動していたとした。

また、適切な医療施設で十分な治療を受けていれば「生存していた可能性はもっと高かっただろう」と結論付けた。

マラドーナさんの息子の1人の弁護人マリオ・ボードリー氏は、サッカー界の伝説的人物は亡くなる時「どうしようもない状況にあった」と、ロイター通信に語った。

「私はその原因を見てすぐに、これは殺人だと言った。長い間戦い、この段階が終わっていまここにいる」

この法的手続きは、マラドーナさんの娘2人による提訴がきっかけだった。娘たちは父親の頭部の手術後の治療について懸念を示していた。

医師は全力尽くしたと

ルケ医師は当時の会見で、涙を流すなど感情をあらわにしながら、友人だったマラドーナさんの治療で全力を尽くしたと主張した。

記者団に対し、「私にどんな責任があるのかって? 彼を愛し、面倒をみて、寿命を延ばし、人生の最期を改善した責任だ」と言い返す場面もあった。

そして、「これ以上できないほど、すべてのこと」をしたと説明した。

BBCメキシコ・中央アメリカ特派員のウィル・グラント記者は、マラドーナさんの熱狂的サポーターであっても、彼の長年の依存症が体に及ぼしたダメージや、過酷な脳手術による衰弱は否定しないだろうと指摘。

しかし、史上最も偉大であろうサッカー選手が60歳で亡くなったのは早過ぎると考える空気が、アルゼンチン国内にはあったと説明した。

(英語記事 Medical staff to face trial for Maradona's death

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61905596

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