2022年6月26日(日)

BBC News

2022年6月24日

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米連邦議会上院は23日夜、銃の安全対策を強化する超党派の法案を、65対33の賛成多数で可決した。続いて下院も24日、234対193の賛成多数で可決した。過去30年近くで最も重要な銃規制の連邦法となる。

21歳未満の銃購入時の身元調査拡大などを盛り込んだ法案には、上院では民主党議員に加えて、銃に関する権利を主張することが多い野党・共和党からも、ミッチ・マコネル院内総務をはじめ15人が賛成した。

下院でも、共和党の議員14人が賛成し、可決した。共和党からは、リズ・チェイニー下院議員やアダム・キンジンガー下院議員らが賛成した。

近く、ジョー・バイデン大統領の署名を得て成立する見通し。

合衆国憲法が保障する武器保有権の擁護に熱心な議員の多い共和党からも賛同者が出た背景には、5月にニューヨーク州バッファローのスーパーや、テキサス州ユヴァルディの小学校で相次いだ乱射事件がある。特に小学校の乱射事件では、多くの児童が犠牲になった。

重要な法案ではあるものの、多くの民主党議員や活動家が求めてきた大幅な規制強化には程遠い。

新法案は、21歳未満の銃購入希望者に対する身元確認を強化するほか、精神医療や学校警備の強化策に連邦予算150億ドル(約2兆円)をあてる。

このほか、裁判官が危険とみなした人から銃を押収する緊急措置を導入している州を支援する、資金提供なども盛り込まれている。

加えて、結婚していないパートナーへの虐待による有罪歴のある人への銃販売を禁止する。これにより、「ボーイフレンド抜け穴」と呼ばれる法の抜け穴をふさぐ。

この銃規制法案はさらに、民主党と共和党の両方からこれだけの支持を得たのが数十年ぶりということでも、重視されている。アメリカでは歴史的に、銃規制強化の動きは共和党が阻止しがちだった。

超党派の法案交渉を共和党側で取りまとめたジョン・コーニン上院議員(テキサス州選出)はこの日、上院本会議場で、法案はアメリカを今までより安全な場所にすると発言。「ユヴァルディで起きたこと、あまりに多くの地域で起き続けたことを前に、何もしないなどありえない」と述べた。

「何もしないのは、ここ合衆国上院でアメリカ国民の代表としての自分たちの義務を放棄することだ」とも、コーニン議員は述べた。

与党・民主党のチャック・シューマー上院院内総務は、「銃の暴力がこの国に与える影響を、一気に解決するものではない。しかし、あまりに遅すぎた、正しい方向への第一歩だ」と述べた。

上院のこの議決の数時間前には、米連邦最高裁が、銃を持ち歩く権利を制限するニューヨーク州法を違憲とする判断を出していた。銃に関する権利をめぐってアメリカ国内で激しい論争が巻き起こり、議会も超党派で対策強化へと動く中で、連邦最高裁は権利を拡大する判決を出した。

「一世一代の戦い」

2018年2月にフロリダ州パークランドで起きた高校銃撃事件の生存者たちが、銃規制強化を求めて立ち上げた団体「自分たちの命のために行進(MFOL)」は、法案の上院通過を歓迎した。

「この病理を終わらせるには、まだまだたくさんの努力が必要なのは分かっている。でも、たくさん努力したおかげで、今晩までたどり着いた。私たちは決してやめないし、黙らされもしない。銃の暴力を終わらせるのが、私たちの一世一代の戦いだ」とMFOLはツイートした。

これに対して、アメリカ政界に大きい影響力を持つロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」は、この法案に防犯効果はないと反対している。

ジョー・バイデン米大統領は今月半ば、自分が求める規制強化には程遠いものの、「正しい方向への一歩」だと述べていた。

バイデン氏はこれまで、殺傷力の高いアサルトライフルの禁止や、少なくとも購入可能年齢の引き上げなど、法案よりもはるかに大規模な改革を求めてきた。アサルトライフルは、テキサス州ユヴァルディやニューヨーク州バッファローの銃乱射事件でも使われた。ユヴァルディの実行犯は18歳になった数日後に、半自動小銃を2丁購入したとされている。

バイデン氏は今月12日、上院の超党派法案について「明らかに、私が必要だと思うすべてではないが、正しい方向への重要な一歩を反映している。ここ数十年で議会を通過する、最も重要な銃の安全に関する法案になるだろう」と声明を出している

アメリカは世界の裕福な国で最も銃による死亡率が高い。他方、憲法修正第2条が保障する武器の保有権を、多くの国民が大事にしている。

連邦議会が銃規制の重要法案を前回可決したのは1994年。半自動小銃の販売を禁止する「アサルト・ウェポン規制法(AWB)」が成立したものの、10年間の時限立法だったため、10年後に失効した。

2012年にコネチカット州のサンディー・フック小学校で起きた銃撃事件では、20歳の実行犯によって生徒・職員が計26人殺害された。そのうち20人は5歳や6歳の児童だった。この事件後に、規制強化の動きが連邦議会でもみられたが、十分な支持を得られなかった。

(英語記事 US Senate passes first gun control bill in decades

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61920120

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