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BBC News

2022年6月24日

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2021年1月6日の米連邦議会襲撃事件について調査する下院特別委員会の公聴会で23日、トランプ政権の司法省関係者が証言した。2020年大統領選の結果を覆すようドナルド・トランプ大統領(当時)から圧力を連日受けていたため、多くの司法省幹部が一斉辞任する姿勢を示していたと述べた。

議会襲撃調査委の5回目の下院公聴会でこの日、宣誓証言したジェフリー・ローゼン元司法長官代行たちは、大統領選は不正だったと主張し続けるトランプ氏に対し、そのような証拠はまったくないと、当時の司法省関係者が繰り返し伝えていたと述べた。

さらに、トランプ氏に近い司法省の次官補が、各州の選挙結果を覆す計画をまとめており、これを当時のホワイトハウス法律顧問が「無理心中の盟約」と呼んでいたと、元司法相幹部が証言した。

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「不正投票」の主張を論破

2020年12月下旬から政権交代の2021年1月20日まで司法長官代行を務めたジェフリー・ローゼン氏は、議会襲撃が起きるまでトランプ氏が「ほぼ毎日」連絡してきたと証言した。2021年1月6日の連邦議会は、大統領選で当選したのはジョー・バイデン氏だという結果を認定しており、その手続きの最中に暴徒が議会を襲った。

ローゼン元司法長官代行によると、選挙結果を疑問視する声明を司法省が出すべきだとトランプ氏は再三働きかけ、さらに「そのあとは僕と共和党の議員たちに任せておけばいい」とも述べたという。

ローゼン氏は、トランプ氏のこの要請を自分は断ったと証言。「事実や法律に照らして、適切だと思わなかった」と委員会に述べた。

リチャード・ドノヒュー元司法副長官代行は、自分は2020年12月にもった90分間の対話の中で、トランプ氏による「不正投票疑惑」の主張をひとつひとつ論破していったのだと述べた。

この日の公聴会では、トランプ氏を応援して選挙結果を覆そうとした協力者のうち少なくとも5人が、将来的な訴追から身を守ろうと、大統領恩赦を要求していたとの証言も出た。

1月3日の夜、ホワイトハウスで対決

さらに司法省の元幹部たちは、2021年1月3日夜にホワイトハウスの大統領執務室で、トランプ氏と司法省幹部3人が激しく対決した経緯を説明。そこでトランプ氏は、ローゼン氏を司法長官代理から解任し、代わりに自分に忠実なジェフリー・クラーク弁護士を任命する計画を示したという。クラーク氏は司法省の環境天然資源局と市民局担当の司法次官補で、司法長官として必要な経験は持ち合わせていなかったという。

元幹部たちの証言によると、このときクラーク氏は、トランプ氏が僅差で敗れた州の州議会議員たちにあてて、選挙結果を無効にするための手順の説明を、ホワイトハウスの公式便せんに書いていた。

当時のホワイトハウス法律顧問、パット・シポローニ氏がその場で、そのような手紙は「無理心中の盟約」に相当すると警告したのだと、ドノヒュー氏は公聴会で話した。

ドノヒュー氏の証言によると、その場にいた自分とローゼン氏とスティーヴン・エンゲル司法省法律顧問局司法副長官(当時)は、クラーク氏を司法長官に任命するようなことがあれば、司法省関係者は一斉に辞任すると警告した。これを受けてトランプ氏は最終的に、この計画は撤回したという。

話題の弁護士宅をFBIが家宅捜索

この日の委員会の直前に、連邦捜査局(FBI)がクラーク弁護士の自宅を家宅捜索したことが明らかになった。

委員会は、クラーク弁護士に証言を求めたものの、弁護士は自らに不利な証言はしない権利を主張し、出席を拒んでいると説明した。

公聴会を取材するBBCのタラ・マケルヴィー記者は、クラーク弁護士が家宅捜索されたことで、選挙結果を覆そうとする計画があったという疑惑が、刑事事件化する可能性が出てきたと指摘する。その場合、トランプ氏自身が訴追対象になるのかが、大きく注目される。

調査委は来月にも公聴会を続けた後、11月の中間選挙を前に、報告書を公表する予定。

調査委そのものがトランプ氏をはじめ関係者を訴追することはできないものの、調査内容を司法省に提供するものとみられている。

(英語記事 Capitol riot hearing: Zero evidence of voter fraud, lawyers told Trump

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61920129

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