2022年8月14日(日)

2022年7月20日

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世界有数のメーカー部品を受注する福島の切削加工メーカー「大川電機製作所」。企業が持つ能力を最大限に活かし、支援するアルコニックスの竹井会長に、M&A戦略のねらいと今後の展望について伺った。

M&A戦略の見極め方とは

 「アルコニックス」は、商社流通と非鉄金属等の製造機能を併せ持つ総合企業。2000年代から、新たな商流の創出を強みに数々のM&Aと投資により事業拡大してきた。製造系11社、商社流通系9社の計20件(2022年7月時点)を手掛ける中で、竹井会長が「一つの成功事例として貴重な存在」と話すのは、2009年に製造業で初めてグループに加わった大川電機製作所。製造業ならではの付加価値で成果を上げ、以降のM&A戦略を勢いづけるきっかけとなった。将来性ある企業の見極めについて、竹井会長はこう語る。

アルコニックス株式会社 代表取締役会長執行役員CEO 竹井 正人(たけい・まさと) 1977年 日商岩井株式会社(現:双日株式会社)入社。 2003年 アルコニックス株式会社に入社以来、アルミ・銅、電子材料・チタン、事業開発等において要職を歴任。2009年 取締役就任後は電子機能材事業のトップとして収益基盤の確立に尽力。2017年の取締役副社長就任、2018年の代表取締役社長就任を経て、2022年4月代表取締役会長執行役員CEOに就任。

 「自律的に成長している企業がM&Aによりさらに活きることが重要。成長の兆しがあっても経営者の高齢化問題や設備投資が不十分なところ等を補完しながら、より高いステージを目指す。そうして一緒に成長できる企業をターゲットにしている」

 グループ化当初の2010年は大手電機メーカーの通信機器用部品が売上の約半数を占めていたが、アルコニックスの全面的支援により収益構造が大きく変化、売上もこの10年で1.7倍を達成。「我々と目指すべき方向性を擦り合わせながら、大川自身が成長に伴った収益力を得た故の結果」と竹井会長も太鼓判を押す。 

 

素材加工のオールラウンダー

大型のマシニングセンタが並ぶ新鋭の上名倉工場。

 大川電機製作所は1951年に東京で創業。福島県内に工場を持ち、金属の精密切削加工において高い技術力を有している。さまざまな分野の部品を取り扱い、宇宙・航空関連のエンジン部品なども受注していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い需要が縮小、2020年の売上は大きく落ち込んだ。しかし2021年は回復の兆しを見せ、過去最高売上の42億9900万円を達成した。その足がかりとなったのが、半導体関連部品の受注だという。

 半導体はPCやスマートフォン、自動車、家電などあらゆるものに搭載され、今では日常に欠かせない物質である。2020年秋以降、世界情勢の変化やコロナ禍における新たな生活様式により需要がひっ迫し、世界的な半導体不況へと陥った。顧客ニーズもあり、かねてから半導体に力を入れていた大川は、2016年から福島県内2つ目となる上名倉工場の稼働を開始。アルコニックスのバックアップを受けて年々拡張し、特に半導体部品の設備を積極的に導入した。なかには、東北エリアでは大川にしかない特別仕様の加工機も存在する。大小100を超える機械を駆使しながら、積み重ねてきた技術力とノウハウで大抵の部品加工が可能。難削材のインコネル、モリブデン、コバールといった素材の加工も実績があり、「素材加工のオールラウンダー」であることが大川最大の強みだ。

5軸制御立形マシニングセンタを操作する様子。
人工衛星関連や半導体関連部品の一部。

 

大川独自の人材育成とこれから 

 優れた技術力を誇っている大川だが、人材教育はこれからの課題だという。小池社長は語る。

 「弊社では環境・社会・ガバナンスを示す『ESG』に取り組んでいます。環境についてはISO14001を取得しており、定期的な審査も受けていますし、社会はライフワークバランスを考えながら生産性を上げて残業を減らす仕組みづくり、ガバナンスは社内ルールをきちんと守るということを従業員に徹底させるよう努めています」

 社内では、製造・サービス業のスローガンで用いられる5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)に大川独自の「作法」を加えた6S活動を推進。役職ごとに何をすべきか明確な方針が示されているアルコニックスグループ共通の「コンプライアンスハンドブック」は、そうした人材育成に非常に役立っているという。また、機械の操作ミスによる不良や不十分なマニュアル指示による時間・設備ロスなど、製造現場で生じるさまざまなロスをなくす「ロスゼロ運動」にも注力。機械を効率的に稼働させ生産能力を上げていくために、今年度から機械が稼働していない時間帯の問題点を解決する「非稼働分析」に取り組む構えだ。

 アルコニックス竹井会長は、「我々が得意とする自動車、半導体、電子材料といった有望市場での事業を拡大していきたい。セグメントと成長分野の掛け合わせの中でいろいろな可能性が生まれる」とM&A企業に期待を寄せる。月に1回、取締役会を開き、1カ月間のレビューをしながら短期、中長期的にやるべきことを話し合うことで、共に同じ方向を見据えて進んでいくのだという。

 現状の課題と向き合いながら、企業価値の向上に尽力するアルコニックスグループ。相乗効果により成長し続ける企業の将来にさらなる注目が集まる。 

 

今までとは違う大川のものづくりを

 
株式会社大川電機製作所代表取締役社長 小池 進(こいけ・すすむ) 岐阜大学工学部機械工学科卒業後、神戸製鋼所入社。大安工場長や米国のアルミ鍛造拠点KAAP社長などを歴任し、2016年に大川電機製作所入社。常務などを経て2018年6月に社長就任。

1951年の創立以来、非鉄金属加工のエキスパートとして技術革新に取り組んでまいりました。半導体・航空機・防衛を中心に世界有数の企業様からも注文をいただいており、今後は医療分野も伸ばしたいと考えております。工場も拡張させ、50億円の売上を目指すと共に、大川の新たなものづくりに挑戦してまいります。

 

 

 

 

 

 

 

大川電機製作所
創業1951年12月11日  
従業員180名
東京本社/福島工場/上名倉工場/中部・関西営業所
売上高43億円(2022年3月期)
http://www.odsinc.co.jp/