
西欧諸国で、猛烈な熱波の影響により気温がさらに上昇し、18日もうだるような暑さが続いた。熱波は北上しており、19日も欧州各地が猛暑に見舞われると予測されている。
スペイン北部では18日、摂氏43度を記録した。フランスとイギリスではそれぞれ猛暑警報が発令された。
フランス、ポルトガル、スペイン、ギリシャで発生した山火事では、数千人が避難を余儀なくされている。
イギリスでは過去最高気温に達すると予想されている。専門家はフランスの一部が暑さによる「終末」に直面しているとしている。
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フランスでは、西部の都市ナントで42度を記録するなど、これまでで最も暑い日が複数の地域で続いていると国立気象局が発表した。
この数日間の山火事で3万人以上が避難を強いられ、避難者のための緊急避難所が設置された。
仏南西部の人気観光地ジロンド県は特に大きな被害を受けており、12日以降で1万5000ヘクタール以上の土地が焼き尽くされた。消防士は炎を制御しようとしている。
オランダでは18日、今年一番の暑さに見舞われた。南西部のウェストドルペでは気温が33.6度に達した。19日にはさらに気温が上昇し、同国南部と中部では気温が39度を超えると予想されている。
熱波は北上を続けており、ベルギー、ドイツ、イタリアでは今後数日間、40度前後になると予想されている。
スペインとポルトガルではこの数日間で高温が原因で1000人以上が死亡した。
14日のポルトガルの気温は47度に達し、7月としては記録的な暑さとなった。同国の海洋気象庁(IPMA)は国内の大部分を、火災の危険性が高い地域に位置付けている。
火災の危険性があるとして、北部ムルサから300人が避難したと、地元メディアは報じた。
イギリスで40度超に達する恐れ
イギリスは18日、イングランド東部のサフォークで記録的暑さとなる38.1度を記録した。予報によると、19日には最高気温が同国の観測史上最高の40度を超える可能性がある。
燃えるような暑さは交通機関に支障をきたしている。鉄道の運行がキャンセルされたほか、ロンドン郊外のルートン空港では滑走路の一部が浮き上がり、航空機の運航が一時中断された。英格安航空イージージェットによると、数便が近隣の空港に行き先を変更され、ほかの便はキャンセルされたという。
英気象庁は18日と19日について、イングランドの大部分に最高レベルの「赤色」猛暑警報を発令。気温が41度まで達する恐れがあるとしている。
これまで英気象庁が観測した最高気温は2019年7月に、ケンブリッジ大学の植物園で観測した38.7度だった。
ウェールズ・フリントシャー州ハワーデンでは18日に31.7度を記録。ウェールズで観測史上最も暑い1日となった。
列車が炎に囲まれ立ち往生
スペインでは少なくとも20件の火災が制御不能となっている。ポルトガルとの北部国境付近では、周囲で火災が発生したため列車が一時立ち往生。乗客がその様子を動画で撮影した。
地球の気温は18世紀後半に比べて既に約1.1度上昇している。各国が温室効果ガスの排出を大幅に削減しない限り、気温は上昇し続けると、多くの専門家が予測している。
(英語記事 Ferocious European heatwave heads north/Temperature tops 38C and likely to rise on Tuesday)