2022年8月18日(木)

BBC News

2022年7月21日

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イタリアのマリオ・ドラギ首相(74)が21日、辞任した。連立政権を組む与党3党はこの前日、信任投票でドラギ氏を支持することを拒否していた。

ドラギ氏はセルジオ・マッタレッラ大統領に辞意を表明。大統領は秋に解散総選挙を行うまで、ドラギ氏に首相代理として職務にとどまるよう要請した。

ドラギ氏は、イタリアでは人気の政治家。首相になる以前には、欧州中央銀行(ECB)総裁としてユーロ圏危機を乗り越え、ゲームのキャラクターになぞらえて「スーパーマリオ」と呼ばれていた。

昨年1月に前任のジュゼッペ・コンテ氏が首相を辞任した後、総選挙を経ずに連立政権を担うことになった。構造改革を条件に欧州連合(EU)から多額の補助金を確保し、新型コロナウイルスのパンデミック対策や経済回復に努めた。

しかし今月15日には、連立を組む「五つ星運動(M5S)」が、政府が提出したインフレ対策の採決を拒否。イタリア政界は危機に陥った。

ドラギ氏はこの際にも辞意を表明したが、マッタレッラ大統領によって慰留された。20日には元老院(上院)で、各政党が「信頼をもとに新しい盟約」を結び、強力でまとまった政府を支持する用意があれば、続投すると述べた。

イタリア国民は数時間、固唾(かたず)を飲んで待っていたが、結局は3つの政党が信任投票でドラギ氏を支持しないと発表した。

大統領府に向かう直前、ドラギ氏は代議院(下院)で演説。「この期間の皆さんの働きに感謝します」と述べ、拍手を浴びた。

ミラノの株式市場では、前日も下がった株価がさらに前日比で2%ほど下がった。

マッタレッラ大統領は、現政権は引き続き現在の問題に対処すると述べた一方、次に何が起こるかについては正確には述べなかった。総選挙は2023年前半に実施される予定だったが、10月に前倒しされる可能性が高い。

今回の政争は、ドラギ氏への信任を拒否した極右「連盟」や中道右派の「フォルツァ・イタリア」に有利に働く。

しかし、世論調査で支持率が最も高いのは極右「イタリアの同胞」で、党首のジョルジア・メローニ氏が次期首相候補とみられている。「イタリアの同胞」は連立政権には入っておらず、メローニ党首はこの1週間、繰り返し解散総選挙を求めていた。

メローニ氏は、「この国をどのように統治すべきか、何をすべきか、産業戦略はどうあるべきか、私なりの考えを持っている」と述べた。

(英語記事 Italian PM Draghi resigns after week of turmoil

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62248126

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