2022年8月18日(木)

BBC News

2022年7月23日

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米議会襲撃事件を調査している下院特別委員会への協力を拒否したとして、議会侮辱罪などに問われていたスティーヴ・バノン被告(68)について、首都ワシントンの連邦地裁の陪審は22日、2件の有罪の評決を出した。同被告は、ドナルド・トランプ前米大統領の首席戦略官だった。

バノン被告は、議会襲撃事件が起きた昨年1月6日当時、トランプ氏の非公式の顧問を務めていたとされる。昨年9月に下院特別委から最初の法的な召喚状を発行されたが、これに応じず、11月に議会侮辱罪で起訴された

12人で構成する陪審員団は、3時間弱の審議で有罪評決に達した。

量刑は今後決定され、10月21日に言い渡される。最長2年の禁錮刑と、最大20万ドル(約2700万円)の罰金刑に処される可能性がある。

バノン被告は裁判所の外で記者団に対し、「今日ここでの戦いには負けたかもしれないが、この戦争には負けない」と述べ、控訴審でひっくり返すと宣言した。

バノン被告の弁護士は、「負けようのない控訴」をすると表明した。

「法順守より忠誠を選んだ」

裁判で司法省は、バノン被告について、議会委員会からの「義務的な」法的召喚を無視するなど、「法を超えた」感覚でいたと主張した。

モリー・ガストン検事は最終弁論で、「被告は法の順守より、ドナルド・トランプへの忠誠を選んだ」と述べた。

対するバノン被告の弁護団は、敵を「容赦なく打ちのめす」と誓っていたものの、21日の法廷では被告に証言させず、証人も1人も呼ばなかった。

弁護団は、バノン被告の裁判について、政治的な報復だと主張。

また、被告は召喚状を無視したのではなく、交渉中だと考えていると説明した。さらに、召喚状の期限は固定されておらず、柔軟性があると信じていると訴えた。

エヴァン・コーコラン弁護士は最終弁論で、被告の選んだ道は「間違いだったと判明した」が、「犯罪ではない」と主張した。

今もトランプ氏の盟友か

バノン被告は、2016年大統領選におけるトランプ氏勝利の立役者だった。最初は選挙参謀を務め、のちにホワイトハウスの首席戦略官に就いた。

2017年8月にヴァージニア州シャーロッツヴィルであった、極右の暴力的な集会に絡んだ政治的混乱の中で辞職。しかし、ポッドキャストで発信しているバノン被告は、今もトランプ氏の盟友中の盟友とみられている。

下院特別委は以前から、トランプ氏の支持者らが議会になだれ込み、2020年大統領選の結果に異議を唱えた動きに、バノン被告が関与していたと考えている。

特に関心を集めているのが、事件前のバノン被告とトランプ氏とのやりとりと、近くのホテルで他の要人らと開いた「ウォー・ルーム(作戦室)」会合だ。これは、ジョー・バイデン氏の選挙勝利の認定阻止を狙った、最後の試みの一環だったとされる。

バノン被告は襲撃の前日、自身のポッドキャストで「明日は大混乱になる」と明言していた。

「法支配の勝利」と特別委

召喚状を受け取ったバノン被告は、犯罪は犯していないと主張し、これを無視。バイデン政権の「地獄の軽犯罪」に変えると話していた。

また、トランプ氏との会話については、率直な助言を可能にするため開示の必要がない大統領特権の対象だと主張した。

しかし判事は、この事案では特権は主張できないとの判断を示した。

下院特別委はこの日の評決について、「法の支配の勝利であり、特別委員会の活動を認める重要なものだ」とたたえる声明を出した。

声明はまた、「1月6日の出来事に責任を持つすべての人に説明責任があるように、私たちの調査を妨害する人は誰であろうと責任を取ることになるだろう。法を超越した人はいない」とした。

(英語記事 Steve Bannon found guilty of contempt of Congress

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62263704

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