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2022年7月25日

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ロバート・プラマー、BBCニュース

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は24日、ロシアが世界的な食料危機を引き起こしたとする批判は当たらないと、訪問先のエジプトで主張した。

積極的な外交活動を展開しているラヴロフ外相はこの日、アラブ連盟の大使らを前に演説。世界の食料安全保障に及ぼす制裁の影響の真実を、西側諸国がゆがめていると述べた。

また、西側諸国は他国に対し、自分たちの支配的立場を押し付けようとしていると非難した。

アラブ世界とアフリカの多くは、ロシアがウクライナで始めた戦争による穀物不足で、大きな影響を受けている。

ウクライナの穀物輸出をめぐっては、再開のための重要な合意が22日に交わされた。しかし、ロシアが翌23日、オデーサの港の標的を攻撃したことから、合意が危うくなっている。

ラヴロフ氏は、戦争に対する怒りが各地で高まる中、アフリカ3カ国を訪問し、ロシアへの支援を呼びかける。

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演説でラヴロフ氏は、ロシアに制裁を科している西側諸国の「攻撃性」は、1つの単純な結論を示していると主張。「それはウクライナに関するものではなく、世界秩序の将来に関するものだ」と述べた。

「西側は、ルールに基づいた世界秩序を全員が支持しなくてはならないと言う。だが、そのルールは、西側が自らに有利になるように解決したいと考える、特定の状況に応じて書かれる」

ラヴロフ氏は演説の前に、エジプトのサメ・シュクリ外相と会談した。

エジプトにとってロシアは重要な国だ。小麦や兵器、そしてウクライナ侵攻前は多くの観光客を、ロシアに頼っている。

外相会談後の共同記者会見で、ラヴロフ氏は西側諸国について、「結末が何で、誰がそれを迎えるのか」理解しているにもかかわらず、紛争を長引かせていると述べた。

アフリカ各国の姿勢をたたえる

ラヴロフ氏はこの後、エチオピア、ウガンダ、コンゴ共和国を訪問する。

アフリカの新聞の記事で同氏は、ロシアが一貫して、「植民地のくびきからの解放を求める闘いにおいて、アフリカの人々を心から支持してきた」と話した。

また、ウクライナ問題におけるアフリカの人々の「バランスの取れた立場」を、ロシアは高く評価していると述べた。

アフリカ開発銀行によると、通常時はアフリカの小麦の4割以上を、ウクライナとロシアが供給している。

エジプトは普段、ウクライナ産小麦を大量に消費している。2019年の輸入量は362万トンで、世界で最も多い。

ラヴロフ氏は現地紙の記事で、ロシアが「飢餓を輸出している」という非難を否定。西側のプロパガンダだと批判した。

さらに、ロシアに対する西側の制裁が、新型コロナウイルスの大流行に端を発した国際食料市場の「負の傾向」を悪化させたと主張した。


立場を鮮明化しにくい事情に乗じる――ウィル・ロス・アフリカ編集長、BBCワールド・サービス

ラヴロフ氏は、西側につくよりロシアに味方した方が得だと、アフリカ諸国に対して説得に努めている。その際、「脱植民地化のプロセスの完了を支援する」といった言葉を使っている。

しかし、アフリカ大陸の多くの国には明らかに、ウクライナでの戦争をめぐってどちらかの側につくことへの抵抗感がある。冷戦は、アフリカの紛争をあおり、開発を停止させるなど、壊滅的な影響を及ぼした。

現時点での最大の懸念は、食料と燃料の価格高騰だ。アフリカの小麦の4割以上が、ロシアとウクライナから輸入されている。

アフリカの指導者の中には、国民が食べていけないと自らの権力の座が危うくなると、気づく人もいるだろう。

(英語記事 Russia denies causing global food crisis

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62287765

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