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BBC News

2022年7月28日

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ヨーロッパで27日、ガス価格が跳ね上がった。ドイツなど中欧諸国へのガス供給を、ロシアがさらに削減したため。

欧州各国は、消費するガスの相当量を、パイプライン「ノルド・ストリーム1」を通したロシアからの供給に依存してきた。ロシアはウクライナ侵攻後、ドイツまでの同パイプラインのガス流量を減らしており、現在は通常の5分の1以下にしている。

これを背景に、ヨーロッパ市場ではガス価格が2%近く上昇。ロシアのウクライナ侵攻後に記録された、過去最高値に近い値段で取引された。

ガス価格の高騰は、消費者が支払うエネルギー料金にも影響が及んでいる。

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ロシアに対しては、ガスを政治的な武器として使っているとの非難が出ている。

ロシア政府は自国について、信頼できるエネルギーのパートナーだと主張。EUへのガス供給が最近停止されたのは、西側の制裁のせいだと非難している。

過去3番目の高値

この日のヨーロッパのガス卸売価格は、メガワット時あたり204.85ユーロ(約2万8000円)で取引を終え、過去3番目の高値となった。

これまでの最高値は、3月8日のメガワット時あたり210.50ユーロ(約2万9000円)。

1年前のこの時期には、メガワット時あたり37ユーロ(約5100円)強だった。

イギリスでも27日、ガス価格が7%上昇。1年前に比べて6倍以上になった。ただ、ロシアのウクライナ侵攻直後のピーク時よりは、まだ大幅に低い。

ポーランドはロシア依存を完全解消へ

欧州連合(EU)は昨年、消費するガスの4割をロシアからの供給に頼った。

ロシアがウクライナを侵攻して以来、欧州指導者らは、ロシア産の化石燃料への依存を減らそうとたびたび協議。

8月から来年3月までの間、ガス使用量を自主的に15%削減することで、EU加盟国は26日に合意した

ただ、一定の条件を満たした国は削減目標の適用を避けられる例外規定を設けるなど、厳格さは弱まった。

こうしたなかポーランドは、ロシアからのガス輸入を年内に完全に解消すると発表した。

マテウシュ・モラヴィエツキ首相は、「ロシアはもう、ドイツを脅迫するようには、この国を脅迫できない」と話した。

「真のエネルギー危機」とIEA

ロシア産の石油をめぐっては、EUは5月、海路で運ばれるものを年内に全面禁輸することで合意している。ガスに関しては、合意まで長い時間がかかっていた。

BBCのダルシニ・デイヴィッド国際貿易担当編集委員は、国際エネルギー機関(IEA)が現在の状況について、真のエネルギー危機だと警告していると報告。

ヨーロッパが震源地かもしれないが、ロシアによるエネルギーの「兵器化」の衝撃は、世界各地で実感されていると伝えた。

(英語記事 Gas prices jump as Russia cuts German supply

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62329002

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