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BBC News

2022年7月29日

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米商務省は28日、第2四半期(4~6月期)の実質国内総生産(GDP)速報値が、前期比の年率換算で0.9%減ったと発表した。2期連続の縮小で、多くの国で「景気後退」とみなされる状況となった。

しかし、アメリカは景気後退だとはしていない。他のデータも加味して判断するためだ。

第1四半期(1~3月期)のGDPは1.6%減だった。エコノミストらは当時、貿易関連データのいたずらだとしていた。

しかし、この日の商務省の発表では、住宅市場、企業投資、政府支出の減少で成長が圧迫され、経済の減速がより顕著になっていることが示された。

個人消費は、医療、宿泊、外食で増加したが、身の回り品と食品で減少。前期比の年率換算では1%増と、成長が鈍化した。

バイデン氏は景気後退を否定

ジョー・バイデン大統領は、支持率が低下するなか、米経済は引き続き健全だと訴えている。失業率が3.6%の低水準にあり、雇用も堅調に推移していると説明している。

バイデン氏は28日、「雇用市場、個人消費、企業投資からは、経済発展の兆しを見て取れる」と主張。昨年はパンデミック後の歴史的な景気上昇があったとし、こう述べた。

「昨年よりも成長が鈍ることは間違いない。(中略)安定した、着実な成長と低インフレへの移行に沿うものだ」

バイデン氏は、商務省の発表を前に今週、米経済は「景気後退にはならない」と記者団に語っていた。

これを受けて野党・共和党は、バイデン政権が「景気後退」の再定義をしようとしていると非難。再定義で国民の苦境が和らぐことはないとした。

インフレ抑制を目指し

アメリカでは、インフレ率が6月に9.1%を記録。食料品、ガソリン、その他の基本的なものの価格が、1981年以降で最も速いペースで上昇している。

中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)は27日、0.75%の利上げを発表先月に続く大幅利上げで、急激な物価上昇を抑え込もうとしている。

借金のコストを引き上げることで、住宅や自動車などへの支出を減らし、物価上昇の圧力を和らげるのが狙いだ。だが、需要の低下は、経済活動の低下も意味する。

FRBのジェローム・パウエル議長は今週、米経済が後退しているとは考えていないと発言。一方で、いくらかの減速は始まっており、インフレを正常な水準に戻すには、さらなる利上げが必要だろうと指摘した。

全米経済研究所の委員を務めたことがあるハーバード大学のジェフリー・フランケル教授は、「すでに減速がみられるので、すべてが順調だとは言えない」、「景気後退が進む確率は、無作為に選んだ年よりはかなり高い」と話した。

(英語記事 US economy shrinks again sparking recession fears

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62343177

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