2022年8月14日(日)

BBC News

2022年8月1日

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米与党・民主党の幹部、ナンシー・ペロシ下院議長は7月31日、シンガポール、マレーシア、韓国、日本への歴訪を開始した。議長事務所の発表には、台湾を訪れる可能性についての言及はなかった。中国政府はこれまで、ペロシ議長が台湾を訪問すれば「深刻な結果が待ち受けている」と警告している。米政府高官はこの25年間、台湾を訪れていない。

ペロシ議長の事務所は声明で、議長が「議員代表団を率いて、インド太平洋地域を訪れる」と発表。「相互安全保障、経済協力、インド太平洋地域の民主的統治」がアジア4カ国への歴訪の主題になるという。各国で高官協議を開き、「共通の利益と価値観をどのようにさらに進展させられるか」を協議し、「平和と安全保障、経済成長と貿易、新型コロナウイルスのパンデミック、気候変動危機、人権と民主的統治」を議題にする方針。

ジョージ・ミークス下院外交委員長(民主党)、マーク・タカノ下院退役軍人委員長(同)ら下院幹部5人が、ペロシ議長に同行する。

一行はまず給油のためにハワイに立ち寄り、アジア・太平洋地域を所管する米軍司令官たちと協議した後、1日にシンガポール入りした。ペロシ議長は、ハリマ・ヤコブ大統領やリー・シェンロン 首相と会談した。

ペロシ議長はツイッターで、「インド太平洋地域における同盟国や友人たちに対する、アメリカの揺るぎない関わりを確認する」ことが、訪問の目的だと書いた。

台湾訪問を中国けん制

台湾の独立を認めず、あくまでも自国の一部とみなす中国政府は、米政府と台湾の外交関係が拡大しているとして、強く反発している。今年4月には米連邦議会の上下両院から超党派の議員団が台湾を訪れた。

アメリカは台湾を承認せず、正式な外交関係は中国との間にある。

その一方でペロシ議長はかねて、中国政府の指導部に批判的で、特にその人権に対する姿勢を厳しく非難してきた。これまでに、中国の民主活動家たちと会談したり、1989年の天安門事件の犠牲者追悼のために現地を訪れたりしている。

議長は当初、4月に台湾を訪問する予定だったが、新型コロナウイルスに感染したため延期。7月初めには、「台湾支援を示すことが大事」だと述べていた。

他方、ジョー・バイデン大統領は、ペロシ議長の台湾訪問について米軍が「現時点では良案ではない」と考えていると明らかにしている。

米下院議長が最後に台湾を訪れたのは、1997年。当時のニュート・ギングリッチ議長(共和党)が訪問した。

(英語記事 Nancy Pelosi begins Asia tour, with no mention of Taiwan

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62373996

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