
イタリアで先月下旬、日中の歩道上で、ナイジェリア人の露天商が殺害される事件があった。被害者の妻はBBCに、「悲痛な死」に関して正義を求めていくと語った。
アリク・オゴルチュクウさん(39)は7月29日、海辺の町チヴィタノーヴァ・マルケでハンカチを売っていたところ、追いかけられて殴り殺されたと報じられている。
この事件で、32歳のイタリア人男性が、殺人と強盗の疑いで逮捕された。
オンラインで出回っている動画では、男性がオゴルチュクウさんに馬乗りになり、素手で殴っている様子がわかる。
襲撃は白昼に起きたが、目撃者で助けようとした人は皆無だったとみられる。
オゴルチュクウさんの妻チャリティー・オリアチさんは、「こんな邪悪さは知らない」と、BBCの番組「フォーカス・オン・アフリカ」で語った。
オリアチさんは、夫の死を受け入れるために支援を受けてきたが、「話」ばかりでうんざりしていると話した。そして、今はもう正義しか興味がないと述べた。
また、一家は長年イタリアで暮らしていると説明。オゴルチュクウさんについては、トラブルを起こそうとしたことはなかったと強調した。
この殺人事件を受け、ナイジェリア人を含む地元コミュニティーでは怒りの声があがっている。先週末には街頭デモが行われ、近くまた予定されている。
ナイジェリア政府はイタリア当局に対し、「凶行の犯人」を速やかに裁くよう要請している。
容疑者は保釈されず
逮捕されたのは、白人のフィリッポ・クラウディオ・ジュゼッペ・フェルラッツォ容疑者。捜査が続く間、拘置施設での勾留が命じられている。
弁護士はメディアに、容疑者が申し訳ないと言っているとし、「人種差別的な要素はない」と述べた。
警察の捜査員によると、オゴルチュクウさんは、容疑者とそのパートナーに小銭を「しつこく」要求し、襲われたという。
「エレナ・D」と呼ばれているこのパートナーは、オゴルチュクウさんが彼女の腕に触れたものの、気にはならなかったと、イタリア紙コリエレ・デラ・セラに話した。
AP通信は、被害者家族の弁護士の話として、オリアチさんは容疑者に「対面」して、なぜ夫を殺したのか理解したいと望んでいると伝えた。
(英語記事 I need justice, says wife of Nigerian killed in Italy)