2022年8月18日(木)

BBC News

2022年8月3日

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アメリカ政府は2日、アフガニスタンで武装勢力アルカイダの指導者を殺害した件について、外国で反米的な暴力が起こる可能性があるとして、アメリカ国民に警戒を呼びかけた。

エジプト人医師でアルカイダ指導者のアイマン・アルザワヒリ容疑者(71)は7月31日、アフガニスタンの首都カブールで、アメリカのドローン攻撃で殺害された

米国務省は2日、世界各地の警戒情報を更新。同容疑者が死んだことで、アルカイダの支持者や他の関連テログループが、アメリカの施設や人員を標的にする可能性があると警告した。

また、「現時点での情報から、テロ組織が世界の複数の地域において、アメリカの国益に対するテロ攻撃を計画し続けているとみられる」と分析。

「これらの攻撃には、自爆作戦、暗殺、誘拐、ハイジャック、爆発など、さまざまな戦術が用いられる可能性がある」と述べた。

その上で、海外に渡航する米国民に対し、「高度の警戒としっかりした状況認識」を維持するよう強く求めた。

ビンラディン容疑者の後継

殺害されたアルザワヒリ容疑者は、3000人近くが死亡した2001年9月11日の米同時多発攻撃で、首謀者を支えていたとされる。

アルカイダを創設したオサマ・ビンラディン容疑者が2011年に死亡すると、同組織を引き継いだ。

ジョー・バイデン米大統領は1日、アルザワヒリ容疑者について、米国民に対する「殺人と暴力の痕跡」を刻んできたと述べた。


<分析> フランク・ガードナー安全保障担当編集委員

アルカイダはかつて、地理的に小さく、中央集権的で緊密な組織だった。だが今日では、世界中に信奉者の集団が点在する、グローバルなフランチャイズになった。そのほとんどは、統治されていないか、統治が不十分な地域にある。

例えばソマリアでは、アルカイダ系の「アルシャバブ」が依然として、主なジハーディスト(イスラム聖戦主義者)グループとなっている。

アフリカは、アルカイダやイスラム国(ISIS)などのジハーディスト・グループにとっての新たな戦場になりつつある。特にアフリカ北西部サヘル地域の周辺でそうした傾向が目立つ。

それらのグループは、「背教者」と見なした政府を倒すために戦うだけでなく、互いに戦い、民間人を巻き込んでいる。

アルカイダは依然として、本質的には中東のテロ集団だ。ビンラディン容疑者はサウジアラビア人だったし、アルザワヒリ容疑者はエジプト人だった。残っている幹部も、ほぼ全員がアラブ系だ。シリア北西部では大きな存在感を保っており、隠れ家と思われる場所を、アメリカのドローンや特殊部隊が定期的に襲撃している。

アルザワヒリ容疑者の死を受けて、アルカイダは新たな指導者と新たな戦略で、低迷する組織を復活させようと決意したのかもしれない。

アルカイダの脅威が指導者と共に消滅したと結論づけるのは、愚かな情報機関だけだろう。


(英語記事 US warns of possible retaliation over Zawahiri

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62403140

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