2022年9月27日(火)

BBC News

2022年9月1日

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欧州連合(EU)加盟国の外相らは8月31日、ロシア政府と結んでいる査証(ビザ)発給の円滑化措置を停止することで合意した。これにより、ロシア国民はEU各国へ入国しづらくなる。

ウクライナや一部の加盟国はビザ発給の全面禁止を訴えたが、フランスやドイツはこれに反対した。

今年2月にロシアがウクライナに侵攻して以来、100万人以上のロシア国民がEUにわたっている。

東欧のEU加盟国は、さらに制限を追加するとみられている。

ロシアとウクライナ双方が批判

ロシアのアレクサンデル・グルシュコ外務次官は、EUは「墓穴を掘っている」と述べ、対抗措置を取ると示唆した。

一方、ウクライナのドミトロ・クレバ外相は、EUの決定を「中途半端」だと批判。「こうした態度がまさしく、ロシアによる2月24日の大規模侵攻につながった」と主張した。

EUのジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は、 ロシアからEUへの入国が大幅に増加したため、協定を中断する必要があると述べた。

「近隣国にとって安全保障上のリスクになっている。その上、多くのロシア人がウクライナで戦争が起きていないかのように、休暇や買い物のために旅行に来ている」

一方でボレル氏は、戦争に反対している人々や、ロシアの「市民社会」を切り離してしまうことには反対だと警告した。

その上で、ロシアと国境を接する国は、ビザをもつロシア国民に対しても入国を制限する事由があると述べた。

発給禁止を示唆する国も

今回の合意により、ロシア国民がEUのビザを取得する手続きが長くなり、コストも上がる。ただし、発給の全面禁止には至らなかったため、譲歩案と目されている。

ロシアと国境を接するフィンランド、エストニア、ラトヴィア、リトアニア、ポーランドの5加盟国は、「深刻な公共安全保障上の問題に対処するため」、一時的なビザの発給禁止や制限といった措置を取る可能性があるとする共同声明を発表した。

ロイター通信は、エストニアのウルマス・レンサル外相が数週間以内に大半のロシア国民の入国を停止すると述べたと伝えた。

チェコのヤン・リパフスキー外相は、欧州委員会がさらなる対策を考えていると発言。現時点で1200万件のEUビザがロシア国民に発行されているとした。これはロシアの人口の8%に当たる。

一方、フランスとドイツは共同声明で、「行き過ぎた制限」はロシアに被害者という言い分を与えてしまうとし、次世代のロシア国民を遠ざけることにつながると警告しした。

(英語記事 EU toughens visa regime for Russian citizens

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62747510

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