2022年10月3日(月)

BBC News

2022年9月5日

»著者プロフィール

ウクライナとロシアの兵士が抱き合う姿を、オーストラリアの芸術家が同国メルボルンで壁画として描いたところ、住民から強い反発を受け、5日に描き消した。

「Peace Before Pieces」と題されたこの絵は、建物の壁3階分に描かれた。作者ピーター・シートンさんは、両国間の「平和的な解決」を提唱した作品だったと話している。

ただ、ロシアのプロパガンダだとする批判や、両国の兵士の間に誤った道徳的同等性を描き出すものだとの指摘を呼んだ。

「CTO」として知られるシートンさんは、問題の作品について「的外れ」だったとし、「これほどひどい評価を受けるとは思わなかった」と述べ謝罪した。

ロシア軍が2月にウクライナに侵攻して以来、何千人ものウクライナ人が殺されており、ロシア軍は戦争犯罪で非難されている。

批判の声

オーストラリア・ウクライナ組織連盟のステファン・ロマニウ共同議長は、「レイプ犯と被害者が抱き合っている壁画があったら、人々はどう思うのか」とする声明を発表。

「『公平』であろうとし、『私たちに必要なのは平和だけだ』という誤った訴えを受け入れるのは、この場合は悪を支持することになる」

ウクライナのワシル・ミロシュニチェンコ駐オーストラリア大使は、「すべてのウクライナ人にとって全く不快」なものだと述べた。

芸術団体「Art4Ukraine Australia」は、この作品が描かれる前から懸念を表明していたが、完成したものを見て衝撃を受けたとした。

未明にかけて上塗り

シートンさんは、壁画の上に色を塗る作業を、5日午前3時まで続けた。

「壁画を描くのに2000ドルから3000ドルかかった。(中略)人を傷つけると思っていたら、これに10日間も費やさなかった」と、シートンさんはその後、豪放送局ABCに話した。

しかし彼は、自らの作品について、「究極的には利益」があり、「多くの人々が実際にメッセージを受け取った」と信じていると擁護した。

シートンさんは、作品のNFT(非代替性トークン)を販売し、集まったお金を慈善団体に寄付するとしている。

(英語記事 Artist removes Ukraine-Russia mural after backlash

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62791905

新着記事

»もっと見る