2022年10月3日(月)

BBC News

2022年9月5日

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アメリカのドナルド・トランプ前大統領は3日、ペンシルヴェニア州ウィルクス=バリで行われた集会で、ジョー・バイデン大統領を「国家の敵」と呼んだ。トランプ氏が、連邦捜査局(FBI)による私邸兼リゾート施設「マール・ア・ラーゴ」の家宅捜索の後、政治集会に姿を見せたのはこれが初めて。

トランプ氏は、バイデン氏がFBIを、自分に対する武器として使っていると非難。家宅捜索は「偽物」で、「アメリカ史上もっともショッキングな政府による職権乱用のひとつだ」と語った。

この日の集会は、中間選挙で同州から連邦上院議員を目指すメフメト・オズ博士と、同州知事を目指すダグ・マストリアーノ州上院議員の2人の共和党候補を応援するものだった。

しかし2人の演説は短いものにとどまり、集会の中心はトランプ氏だった。2時間近くにわたる演説の最初の部分で、トランプ氏はFBIの家宅捜索を批判した。

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FBIは8月初め、マール・ア・ラーゴを家宅捜索した際、機密文書を含む書類などを押収。トランプ氏が2021年1月に退任した際にこうした記録を不適切に扱い、ホワイトハウスからマール・ア・ラーゴに移したかどうか捜査している。

また司法省は、トランプ氏の機密文書の取り扱いをめぐり、捜索を「妨害するために対策が取られていた可能性が高い」とする文書を裁判所に提出している。

トランプ氏は、不正を否定している。この日の演説でも、自分に対する捜査や攻撃を「魔女狩り」だと主張。自分は政治的な嫌われ者で断罪されている人物だと支持者にアピールした。

2020年の大統領選でペンシルヴェニア州は、僅差でバイデン氏が勝利したが、州内のこの地域ではトランプ氏支持が多かった。

集会の参加者の中には、「FBIへの予算を打ち切れ」と書かれたTシャツを着ている人もいた。

BBCの取材に応じた男性は、FBIの家宅捜索は「八百長」だと思うと話した。別の女性は、司法省がトランプ氏を起訴すれば政情不安に陥ると懸念を示した。

トランプ氏はこのほか、2020年の大統領選は不正だったという主張や、民主党への批判、そして「アメリカを救う」といった、同氏の演説ではお決まりのテーマに触れた。

また、麻薬取引に関わった犯罪者に死刑を適用するよう訴える場面もあった。

与野党がペンシルヴェニア州に注目

ペンシルヴェニア州は、今年の中間選挙の行方を占う重要な州として注目されている。

共和党の州知事候補マストリアーノ氏は、大統領選での不正と陰謀論を支持している。昨年1月6日の議会襲撃事件に参加したほか、2020年大統領選では同州の投票結果を覆す動きに大きく関わった。

極右のマストリアーノ氏が中間選挙で勝利するかが、トランプ氏の共和党への影響力と、ひいては2024年にトランプ氏が大統領選に立候補するかの指標になるとされている。

トランプ氏は立候補の可能性を否定していない。

これに対し与党・民主党は、ジョシュ・シャピロ州司法長官を州知事候補に選定。州内でいくつかの大きな政治集会を行い、民主党支持層に働きかけている。

8月30日にはバイデン大統領自身も現地入りし、銃規制や公共安全について語った。

さらに9月1日に、同州フィラデルフィアで「アメリカの魂」と題した演説を行い、トランプ前大統領とその支持者たちがアメリカの民主主義を脅かしていると非難。トランプ氏の「アメリカを再び偉大にしよう(MAGA)」スローガンを支持する「MAGA勢力」が、「何としてもこの国を後退させようとしている」と語った。

このほか、連邦上院議員選挙でも、オズ氏に対してジョン・フェッターマン州副知事を対立候補に据え、議席獲得を目指している。

(英語記事 Donald Trump: What we learned from his rally in Pennsylvania

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62791584

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