2022年10月3日(月)

BBC News

2022年9月8日

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ステファニー・ヘガティ人口問題担当編集委員

平均寿命、教育、経済的繁栄の分野で数十年続いてきた前進が、新型コロナウイルスの世界的な流行で、後退に向かい始めている――。国連が新たな報告書で明らかにした。

報告書によると、世界の9割の国々で、過去2年間に国連の人間開発指数(HDI)が後退している。HDIは、国内総生産(GDP)以外の豊かさを測る指標として、1990年に使われ始めた。

世界の発展が逆行している原因として、報告書では新型ウイルスやウクライナにおける戦争、気候変動の影響を挙げている。

今年の報告書でHDIが最も高かったのはスイスだった。同国の平均寿命は84歳、平均就学年数は16.5年、年収の中央値は6万6000ドル(約950万円)だった。

最下位は南スーダンで、平均寿命は55歳、平均就学年数は5.5年、年収の中央値は768ドル(約11万円)だった。

この指数が算出された191カ国の大半が、2016年当時の水準に逆戻りした。特に平均寿命が後退した。これは、ここ30年間の流れに逆行するものだ。

例えばアメリカでは、出生時の平均余命が2019年以降、2年以上短くなった。他の国では短縮幅はさらに大きい。

HDIが導入されて以降、多くの国が危機に直面し、指数の後退もあったが、世界的な傾向は上昇を続けていた。昨年は、導入以来初めて指数が全体的に低下。今年の結果は、その低下傾向を確固たるものにした。

ただ、影響にはばらつきがある。富裕国の3分の2が昨年、上昇に転じた一方で、他のほとんどの国は低下が続いている。

今年のHDIは、昨年のデータを基に算出している。報告書の著者の1人であるアヒム・シュタイナー氏は、「2022年の見通しは厳しい」と述べ、80カ国以上が債務返済に苦しんでいると指摘した。

「80カ国がそうした危機の一歩手前にいるというのは、非常に深刻な状況だ」

「深い崩壊が起きており、その結果は何年にもわたって影響を及ぼすだろう」

(英語記事 UN sees life expectancy, education and income fall

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62830120

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