2022年10月3日(月)

BBC News

2022年9月12日

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ウクライナは11日、東部での反攻を急進展させ、ロシアに占拠されていた領土3000平方キロメートル以上を奪還したと主張した。また、東部全域でロシアが停電を引き起こし、住民からと電気と暖房を奪っているとして、同国を非難した。

ウクライナ軍の目覚ましい前進が事実であれば、同軍が奪還した土地は、2日間余りで3倍に急増したことになる。

同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、奪還した土地について、8日夜は1000平方キロメートル10日夜は2000平方キロメートルになったと発表していた。

ウクライナの説明が正しいのか、BBCは確認できていない。記者たちは前線での取材を認められていない。

東部での反撃

ウクライナ軍は東部で反撃に出ている。10日にはロシア軍の重要な補給地であるハルキウ州イジュームとクプヤンシクに進軍した。

一方、ロシア国防省は、自軍が「再編成」のためイジュームとクプヤンシクから撤退したと発表した。

ただ、英国防当局は、これらの町の外で戦闘が続いていると警告している。ウクライナ当局も、イジューム周辺のいくつかの集落をめぐって戦い続けているとした。

ロシア国防省はまた、ドネツク地方の前線での「取り組みを強化する」ため、3番目に重要な町バラクリヤから部隊を撤退させたことも認めている。ウクライナ軍は9日、同町に入った。

ウクライナの反撃ペースは、ロシア側をうろたえさせている。ロシア・チェチェン共和国の指導者ラムザン・カディロフ氏は、ロシアの軍事戦略に疑問を呈したと読み取れるメッセージをテレグラムに投稿した。同氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の強固な支持者。

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ウクライナ軍のヴァレリー・ザルジヌイ総司令官は、同軍がロシア国境から50キロ以内の地点まで前進したと述べた。

ただ、ロシア軍はまだ、ウクライナの約5分の1を制圧している。そのため、戦争が早期に終わると考える人はほぼいない。

ウクライナのオレクシイ・レズニコフ国防相は、英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、自国軍をたたえる一方、ロシアによる反撃の可能性について警告。

「反攻で領土を解放しており、続けてそれを管理下に置き、防衛する準備をしなければならない」、「もちろん、安心はできない。この戦争は何年も私たちを悩ませてきた」と話した。

軍事専門家の1人は、ウクライナの進軍について、ロシアが第2次世界大戦以降で初めて、部隊全体を失ったことを意味するとしている。

今回の情勢変化は、ウクライナ軍の領地奪還能力を示すものとみなされる。西側同盟国に軍事支援を求め続けているウクライナにとって、これは極めて重要なことだ。

ロシアの攻撃で大規模停電か

ゼレンスキー大統領は、ロシアがウクライナ東部の重要インフラを標的とし、領土の大部分を「完全停電」状態にしたと非難した。

大統領はツイッターで、ハルキウ州とドネツク州の全域で電力が完全に遮断され、人々が「光と熱」を奪われていると主張した。

停電は11日、前線近くの他のいくつかの地域でも報告された。東部地域の約900万人に影響を与えたと言われている。

ハルキウ市のイホル・テレホフ市長は、ロシアが民間インフラを攻撃し、市内の大部分で電気と水が使えなくなっていると説明。ウクライナ軍の最近の成功に対する、ロシアの卑劣な仕返しの試みだとした。

ハルキウで取材しているBBCのオーラ・ゲリン国際担当編集委員は、11日夜にミサイル攻撃のような音がさらに2回聞こえたと伝えた。

テレホフ氏とハルキウ州の知事は、緊急事態当局が被害の回復と消火に当たっているとし、住民らに冷静さを求めた。

隣接するスーミ州の知事は、1つの地区だけでも130以上の集落が停電していると話した。

ドニプロペトロウシク州やポルタヴァ州でも同様の問題が報告されている。

ゼレンスキー氏は、ロシアが民間インフラを標的に「テロ行為」を行っているとテレグラムで非難。「私たちにとって寒さ、飢え、暗闇、のどの渇きは、あなた方の『友情と兄弟愛』ほど恐ろしく危険なものではない」と書いた。

南部でもウクライナ優勢か

ウクライナが先週、東部での反攻を開始した当時、国際的な注目は、南部の都市ヘルソン付近に集まっていた。ウクライナが進軍するとみられていたためだった。

アナリストたちは、ロシアが経験豊富な部隊の一部を、ヘルソンの防衛に振り向けたとみている。

ある当局者は、ウクライナが東部に加え、南部でも優勢だと述べた。

ウクライナ軍南部司令部の報道官は、同軍が前線に沿って「2キロから数十キロ」前進したと話した。

しかし、南部戦線で戦うロシア軍は、防御態勢を固めていると言われている。ウクライナ軍は攻勢に転じて以来、激しい抵抗に直面している。

ハルキウでは10日、ロシアのロケット弾によって1人が死亡、家屋数棟が損壊したと、現地当局が明らかにした。

一方、ウクライナの原子力発電公社エネルゴアトムは、ロシアが支配下に置いているザポリッジャ原発で最後の原子炉が停止し、電力が生成されていないと発表した。

この原子炉は3日間、原発の制御に必要なエネルギーを生成していた。外部電源が回復したため、停止された。

エネルゴアトムは、緊急事態を防ぐには、同原発と国内送電網をつなぐ送電線への砲撃の停止が不可欠だと訴えた。

(英語記事 Ukrainian army says it has tripled retaken areaBlackouts in Ukraine blamed on Russian attacks

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62873617

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