2022年10月6日(木)

BBC News

2022年9月13日

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イギリスの新国王チャールズ3世は12日、王として初めてイギリス議会を訪れ、8日に死去したエリザベス2世の「無私の奉仕」を引き継ぐと演説した。

ウェストミンスター宮殿内の大広間、ウェストミンスター・ホールに集まった900人の下院議員を前にチャールズ国王は、議会は「民主主義の生きた、息をしている機構」だと述べた。

演説の前には上下院の議長がそれぞれ、女王に対する弔意を述べた。

議会訪問後、国王とカミラ王妃は女王の棺(ひつぎ)が安置されているスコットランドのエディンバラへ移動。国王は妹弟のアン第一王女とヨーク公アンドリュー王子、ウェセックス伯爵エドワード王子と共に、ホリールードハウス宮殿からセント・ジャイルズ大聖堂までの葬列に付き従った。

大聖堂に到着した棺はスコットランド衛兵に夜通し守られる。国王をはじめとする女王の4人の子供も、通夜の式典に参加した。

棺は翌13日まで大聖堂に安置され、一般の弔問も受け付けている。大聖堂の前には女王を悼む人々が夜通し、長蛇の列を作っている。


チャールズ国王と議会

国王夫妻は12日午前10時半ごろにウェストミンスター・ホールに到着。君主到着を知らせるファンファーレが演奏された一方、国旗は半旗で掲げられた。

下院議長のサー・リンジー・ホイルは下院議員を代表し、「我々の深い悲しみ以上に、あなたが悲しんでいることを知っている」と述べた。

「この国独自の歴史と、議会政治の仕組みの貴重な伝統と自由および責任を、あなたが最大限に尊重していると承知している」

「故女王陛下が示された不屈の精神と尊厳をもって、自分に与えられた責任をあなたが負っていくと承知している」

上院議長のマクフォール卿は、エリザベス女王について、「世界中の人々の想像力をとらえる存在だった」と追悼した。

「その献身、やさしさ、ユーモア、勇気、不屈の精神、そしてその人生を支えた深い信仰心を忘れない」

「我々は誇りをもって、謹んであなたを国王に迎える」

この儀式ではまた、上下院の議員が新しい君主に忠誠を誓った。

これに対し国王は、「亡き女王陛下は非常に若いころ、自らをこの国と人々にささげ、この国の中心である大切な立憲政の原則を維持すると誓った。陛下はこの誓いをこの上ない献身で守った」と返した。

「陛下は無私の奉公の手本を示してくれた。私は神のお導きと皆さんの助言を受けながら、それを忠実に引き継ぐと誓う」

1097年に建てられたウェストミンスター・ホールは、チャールズ1世の裁判、ヘンリー8世の戴冠の宴、そしてネルソン・マンデラ氏の演説など、数世紀にわたってイギリス史で重要な役割を果たしてきた。19世紀にウェストミンスター宮殿で起きた大火も免れている。

チャールズ国王は演説の中で、「我々を取り囲む歴史の重さを感じずにはいられない」と言及し、「この歴史が、両院議員が身を尽くす議会の重要な伝統を思い出させてくれる。議員の皆さんは、より良い国のために、個人的な奉仕をしてくれている」と述べた。

「議会は民主主義の生きた、息をしている機構だ。議会の伝統がいかに古いかは、この大広間のつくりから見てとれるし、この広間の随所に残る中世の先王たちの面影からもうかがえる」

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エディンバラで葬列と通夜の式典

式典の後、国王と王妃は、11日から女王の棺が安置されているエディンバラのホリールードハウス宮殿へ移動した。

宮殿ではまず、君主がスコットランドの統治を示す「セレモニー・オブ・キーズ(鍵の式典)」が行われた。

その後、女王の子供4人(国王とアン第一王女、アンドリュー王子、エドワード王子)は、棺をホリールードハウス宮殿からセント・ジャイルズ大聖堂まで運ぶ葬列に、徒歩で付き従った。アンドリュー王子は王室としての公務を行っていないため、軍服姿のきょうだいたちとは異なり、黒いモーニング服で参列した。

エディンバラ旧市街の大通りロイヤル・マイルでは、通過する葬列を大勢の市民が出迎えた。

葬列がセント・ジャイルズ大聖堂に到着した後、国王はいったんホリールードハウス宮殿へ戻り、スコットランドのニコラ・スタージョン第一首相と面会。スコットランド議会にも出席し、議員からの弔意を受けた。

12日夜には、国王と王室メンバーが、女王を追悼する通夜の式典に参加した。国王をはじめとする4人の子供が棺の横に立ち、女王の棺をしばし守った。

この儀式はこれまで、王族の男性しか参加することができなかったが、アン第一王女は女性として初めて、この役を担った。

女王の棺が大聖堂に安置されている間は、市民が棺の前を通り、お別れができるようになる。

午後5時半から始まった棺の一般公開だが、大聖堂の周りには約2万人の弔問客がつめかけ、夜通し列を作っている。

列の周囲には簡易トイレや水の補給所などが設置されているほか、救世軍が温かい飲み物やパンなどを支給している。

女王の棺は13日には、アン王女に伴われ、エディンバラから空軍機でロンドンへ戻り、バッキンガム宮殿へ「帰宅」する予定。

14日にはバッキンガム宮殿からの葬列でウェストミンスター宮殿に運ばれ、19日の国葬まで4日間、安置される。

ウェストミンスター宮殿でも一般の弔問が行われるが、75万人以上が訪れる可能性がある。また、行列の待ち時間は20時間になることもあると警告されている。

また、国葬の前日の18日午後8時には、イギリス全土で1分間の黙とうが行われる予定。

(英語記事 King Charles promises to follow Queen's selfless duty

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62885036

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