2022年10月3日(月)

BBC News

2022年9月13日

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英女王エリザベス2世の死去後、王室への反対を表明した人たちが、英国内で逮捕されている。言論の自由を唱える人々は「深く憂慮する」と話している。

スコットランドの警察は、ここ数日で2人を逮捕。オックスフォードでは、男性が逮捕された後、拘束を解かれた。

これらの逮捕は、女王の死去と、チャールズ3世の新君主への即位に関連した行事で起きた。

ロンドンでは、女王の棺(ひつぎ)の一般公開のために並ぶ人の列が作られ始めている。

そうした中でロンドン警視庁は、誰にでも「抗議する権利がある」とした。

逮捕の状況

エディンバラでは11日、セント・ジャイルズ大聖堂の外で行われた国王即位宣言の行事で、女性(22)が逮捕された。その後、治安を妨害したとして訴追された。

女性はすでに釈放されており、後日、エディンバラの裁判所に出頭の予定。

同日、オックスフォードであった別の即位宣言の行事で、サイモン・ヒル容疑者(45)が公序良俗に違反した疑いで逮捕された。「誰が彼を選んだんだ」と叫んだとされる。

警察によると、同容疑者はその後に拘束を解かれた。警察に「自発的に」協力しているという。

12日には、エディンバラのロイヤル・マイルを王室の葬列が通過する際、男性(22)が治安妨害に関連して逮捕された。アンドリュー王子を罵倒したとされている。

批判の声

こうした一連の逮捕を、言論の自由や人権を重視する団体は批判している。

表現の自由のため活動する非営利団体「インデックス・オン・センサーシップ」のルース・スミース代表は、「深く憂慮すべきこと」だと主張。「この国の市民が享受する表現の自由を侵害する目的で、偶然または意図的に、今のこの行事が利用されないよう、私たちは警戒しなくてはならない」と話した。

公民権保護の活動をする超党派の非営利団体「ビッグ・ブラザー・ウォッチ」のシルキー・カーロ代表は、警官には「人の抗議する権利を守る義務があると同様、人が支持や悲しみを表明したり、敬意を表したりする権利のため、便宜を図る義務もある」と述べた。

市民の自由や人権のために活動する民間団体「リバティ」の政策・キャンペーン担当者のジョディ・ベック氏は、「これほど強引で懲罰的な方法で、警察が自分たちの幅広い権限を行使しているのは、非常に心配だ」と強調。「抗議は国家からの贈り物ではなく、基本的な権利だ」と話した。

12日にはまた、ロンドンの議会議事堂の外で「私の王ではない」と書いたプラカードを掲げた抗議者が、警察に追い払われた。

ロンドン警視庁は、「車両がゲートを通って出入りしやすくするため」一般市民にウェストミンスター宮殿前からの移動を求めたと説明。だが、逮捕や、広範囲にわたる退去の要求はしていないとした。

ソーシャルメディアでは、白紙を掲げ、「私の王ではない」と書くつもりだと話す男性に、警官が詳細を尋ねる動画が投稿され、拡散された。動画の中で警官は、メッセージが「人を不快にさせる可能性がある」と言っている。この警官は、他の地域から応援でロンドンに派遣されていたとされる。

抗議する基本的権利

こうした事態に、ロンドン警視庁のスチュアート・カンディ副総監補は声明を発表。「市民にはもちろん抗議する権利がある。警察が現在行っている臨時の活動に携わる全警官には、このことを明確に伝えている」とした。

ロンドンには、来週にかけて膨大な数の人が押し寄せると予想されている。約1500人の軍人が、警察や文民スタッフと協力して、これを管理する。

首相報道官は、個々の逮捕者についてはコメントせず、「明らかに今は、国民の大多数、圧倒的大多数が、喪に服している期間だ」とした上で、「それでも、抗議する基本的権利が、私たちの民主主義の要であることに変わりはない」と述べた。

(英語記事 Arrests of anti-monarchists prompt free-speech row

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62885091

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