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BBC News

2022年9月19日

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イギリスで史上最も長く君主を務めた、女王エリザベス2世の国葬が19日、ロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われた。参列者や国内外の多くの人々が、生涯にわたって強い使命感をもち続けた女王をしのんだ。

葬儀は、ウェストミンスター寺院のデイヴィッド・ホイル首席司祭が取り仕切り、世界各国の指導者や王族など約2000人の参列者に感謝を表した。

葬儀に先立ち、女王の棺(ひつぎ)が公開安置されていたウェストミンスター宮殿から、同寺院へと移された。国王チャールズ3世が棺の後ろを歩き、厳かな葬列を先導した。

葬儀では終盤、軍葬ラッパが演奏され、国民が2分間の黙祷(もくとう)をささげた。軍葬ラッパは、女王の夫エディンバラ公フィリップ殿下の葬儀で演奏したのと同じチームによって吹かれた。

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葬儀の最後には、バグパイプによる伝統的な哀悼曲が演奏された。続いて国歌が歌われる間、国王は静かに立っていた。

女王の棺の上には、バッキンガム宮殿、王室邸宅のハイグローヴ・ハウス、クラレンス・ハウスの庭から切り取った花輪と、国王の手書きのカードが置かれた。カードには、「愛と献身の記憶の中に。チャールズ R.」と書かれていた。「R」はラテン語で国王を意味する「Rex」のこと。

葬儀では冒頭、ホイル首席司祭が、女王の「女王および英連邦の長としての長年にわたる高い使命への揺るぎない献身」について述べた。

「私たちは称賛とともに、女王の生涯にわたる国民への使命感と献身を思い起こす」

リズ・トラス首相は、キリスト教の新約聖書の中から「ヨハネによる福音書」第14章を朗読。参列者は、女王とフィリップ殿下の結婚式で歌われた讃美歌「主は私の羊飼い」を歌った。

カンタベリー大主教のジャスティン・ウェルビー氏は説教で、歌手の故デイム・ヴェラ・リンの曲「We will meet again」の歌詞を引いて、「私たちはまた会うでしょう」と言った。この言葉は、新型コロナウイルスの大流行の初期に、女王が国民に向けて行った異例の演説で使ったもの。同曲は、第2次世界大戦中にイギリスで国民的応援歌として愛唱された。

ウェルビー氏は、「この日の悲しみは、亡き女王の家族だけでなく、イギリス、英連邦、世界のすべての人々が感じており、今はもう私たちの前から消えてしまった、彼女の豊かな人生と愛に満ちた奉仕から生じている」と述べた。

この日の3部構成の葬儀ではまず、女王の棺が、14日から公開安置されていたウェストミンスター宮殿の大広間から、葬列によってウェストミンスター寺院へと移動された。

ウィリアム皇太子とサセックス公爵ハリー王子が、父親である国王の後ろを並んで歩いた。国王は妹や弟たちと共に歩いた。

皇太子の子どものジョージ王子とシャーロット王女は、葬列に続いて寺院に入った。

寺院までの葬列では、棺を載せた海軍の砲車を海軍兵142人が引いた。その間、バグパイプと太鼓の音が鳴り響いた。

葬儀には、アメリカのジョー・バイデン大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、カナダのジャスティン・トルドー首相など、世界各国の指導者らが参列した。

ヨーロッパの多くの王族や、イギリスの首相経験者6人も出席した。

また、女王誕生日の叙勲で勲章を受けた200人ほども招待された。

女王は英連邦14カ国の国家元首を務めていた。国葬は、国内と海外の数百万人がテレビなどで視聴した。

イギリス国内各地で、葬儀を映し出すための大型のスクリーンが設置された。映画館やパブなどでも、葬儀の模様が上映された。

ロンドンでは、何千人もが道路に列を作ったり公園に集まったりして、葬儀の音に耳を傾けた。涙を流した人も多かった。

イギリスで国葬が催されたのは、1965年のウィンストン・チャーチル元首相の国葬以来。式典としては、第2次世界大戦以降で最大のものとなった。

棺はその後、徒歩の葬列に伴われ、寺院から市内のハイド・パーク・コーナーにあるウェリントン・アーチへ向かった。その間、1分ごとに弔砲が撃たれた。人々は沿道の指定された観覧エリアから、その様子を見ていた。

葬列は、女王が騎馬隊の式典を数多く取り仕切ったホース・ガーズ・パレードと、バッキンガム宮殿前の大通りのザ・マルを通った。沿道の人々は歓声と拍手を送った。

女王の棺がバッキンガム宮殿の前を通過するのは、これが最後となった。

ウェリントン・アーチに到着した棺は、新しい霊柩(れいきゅう)車に移され、ウィンザー城へと運ばれた。この最後の葬列では、霊柩車の後ろをチャールズ国王、アン王女、アンドリュー王子、エドワード王子、ウィリアム皇太子、ハリー王子が歩いた。

女王の棺がウィンザー城に到着すると、弔砲が撃たれ、鐘が鳴らされた。棺は城内の聖ジョージ聖堂に納められ、埋葬式が執り行われた。

聖ジョージ聖堂での埋葬式には、約800人が参列。ウィンザー司教のデイヴィッド・コナー氏が取り仕切り、カンタベリー大主教が祈りをささげた。

王権を象徴する王冠、宝玉、王杖(おうじょう)が女王の棺の上から下ろされる儀式も行われた。

その後、家族だけでの礼拝が行われ、女王は70年以上連れ添った亡き夫フィリップ殿下が眠る、聖ジョージ聖堂内のジョージ6世記念礼拝堂の納棺堂に埋葬された。

(英語記事 State funeral remembers Queen's life of service

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62958700

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